question �将� ページ16
降谷零であろうが安室透であろうが私を口説くのは変わらないらしい。
手を握るのはともかく顔が異様に近い。
｢もしかして噂のイケメン店員！？｣
そんな由美の高い声が聞こえる。
｢まさかAがアプローチされてるのって…｣
『え、ちょ、ちが…』
｢そうですよ、僕です｣
『ちょっと安室さん！？』
由美の方を向いてサラリと肯定したゼロくん。
彼はまた私に向き直り、さらに顔を近づけてきた。
｢嫌だなぁ、透さんって呼んでくださいよ、いつもみたいに｣
いやいつもってなんですか１度たりとも呼んだことありませんけど。
ていうか安室さんって呼んだのも今日が初めてですけど。
しかし由美と苗ちゃんの前で言われてしまった。
これでは完全に私が恥ずかしがってるだけにしか見えないではないか。
２人ともなんとも言えない目を私に向けている。
彼女達だけじゃない。梓ちゃんや他のお客さんの視線も私たちに突き刺さっている。
流石にいたたまれなさすぎて、彼の胸板を強く押した。
『ち、注文してもいいですかっ！！』
｢あはは、はい、お伺いします｣
必死で逃げ道を探し、手をもつれさせながらメニューを開く。
クスクスと笑う彼の声が恥ずかしくて、思わずメニューで顔を覆う。
と、そんな時。ふと馴染みのある料理名が目に入った。
『はむさんど…』
｢あぁ、それ、僕が作ってるんですよ｣
『そうなんですか？』
｢はい、ハムサンドになさいますか？｣
彼の声に勢いよく頷いた。
ゼロくんのハムサンドはすごくすごく美味しいのだ。
お兄ちゃんも私も彼のハムサンドは大好物だった。
それをまた食べられるなんて…！
｢私もそれで｣
｢あ、私も！｣
｢かしこまりました、ありがとうございます｣
そう言ってゼロくんはお店のキッチンに去っていく。
それによってようやく周りのお客さんも各々の食事に戻ってくれ、大きくため息をついた。
き、聞いてない…ポアロでゼロくんが働いてるだなんて聞いてない…！
また潜入調査の一環とかだろうか。
どちらにせよ、知ってれば由美と苗ちゃんと来るなんて絶対しなかったのに…！
まだ熱の冷めきらない顔をソロリと上げる。
予想通り、２人は身を乗り出すようにして私に詰め寄ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
