question �境将� ページ30
『じ、さつ…？』
｢ああ、そうだ｣
目の前の彼は、そう言ってはっきりと頷いた。
携帯、拳銃、公安、自決。
単語だけが頭の中をグルグル回ってうまく飲み込めない。息が止まりそうだ。
彼が紡いだ話は想像とはかけ離れたものだった。
お兄ちゃんは４年前、自分で自分の心臓を撃ち抜いたらしい。そんなの今まで知りもしなかった。
しかもそれは、携帯を壊すためで…携帯を壊したのは、仲間や家族のデータを守るためで…
きっとそこに、私の連絡先だって入っていた。
『──っ！』
｢おい、大丈夫か？顔色が…｣
『…っだいじょうぶ、です』
吐きそうになったけど口を抑えてなんとか堪えた。
落ち着かなきゃ。ちゃんと息を吸え。
赤井さんが差し出してくれたお茶を飲んで、呼吸を整える。
大丈夫、大丈夫。受け入れるって決めたんだ。
そうして早まっていた鼓動がようやく収まってきて、彼に頭を下げた。
『…ごめんなさい、あなたにとっても思い出したいような話じゃなかったですよね』
｢…いや、｣
彼はそんな私に目を伏せ、辛そうな表情で言う。
｢俺の方こそ、君のお兄さんを助けられずにすまなかった。恨んでくれて構わない｣
『そんな…！あなたを恨むなんてそんなわけないじゃないですか！』
慌てて首を振ってそう伝えた。
赤井さんのせいになんてするつもりはない。犯人探しをするために、誰かのせいにするために話を聞きにきたんじゃない。
『私は、私の中で踏ん切りをつけるためにここへ来たんです。誰かを恨むつもりはありません』
｢……｣
『話してくれてありがとうございました。
あとは私と…彼だけの問題です』
背筋を伸ばして、ニッコリと笑って見せる。
赤井さんはしばらく私をじっと見つめ、やがて小さく笑って言った。
｢やっぱり兄妹だな。笑い方がそっくりだ｣
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
