question �境将� ページ24
なんにせよ今は彼と話す暇なんてないんだろう。
きっと重要な作戦が終わった直後だ。仕事の邪魔をしてはならない。
そう思ってすぐに立ち去ろうとしたが、しかし彼はそんな私の手首を掴んで引き止めた。
｢ちょっと待っててくれ｣
『え？なんで…』
｢いいから｣
ピシャリと言われてしまえば帰るわけにはいかない。
大して遅い時間でもないし、大人しく端っこに寄って待たせて頂く。
私の手を離したゼロくんは、その場にいた警察官達やイヤホンの向こうに指示を飛ばす。
彼の指示に頷く人達は、彼より年上であろう人ばかり。
…すごいなぁ。私と２つしか変わらないのに、まるで遠くの世界の人に見える。
一緒に育ってきたなんて思えないくらい。
やがて公安警察の皆様は各々の方向へ散り散りになり、その場には私とゼロくんだけが残された。
｢流石にここに居座るわけにはいかないし、とりあえず移動しようか｣
彼はそう言って私の手を引く。
い、いや…確かに工藤邸の前に長居するわけにはいかないけど、だからってどこに…
頭に浮かんだ疑問には、ゼロくんがすぐに答えてくれた。
｢車を向こうに停めてある。送ってくよ｣
『へ！？い、いいよ！仕事中でしょ！？１人で帰れる！』
｢バカ、そんなことさせるわけないだろ｣
『本当にいいって！邪魔しにきたみたいになるじゃない！私そんなにヤワじゃないから！』
引きずられていた足をビタッと止める。
彼はそんな私を振り返り、苦笑いを零した。
｢いや、これは僕の我儘だ。今から君にすることを許してもらいたいから言ってるだけなんだ｣
『へ…？何言って…』
｢…今日だけ、許して｣
小さく呟かれた言葉が耳に届いた瞬間、腕を引っ張られた。
咄嗟のことに反応が追いつかず、為す術もなく目の前にいた彼の胸元に飛び込む。
気づいた時には、ぎゅううっと強く抱きしめられていた。
『な…！ゼロく、…っわ』
名前を言おうとすれば更に力を込められる。それでも痛いなんてことは全然なくて。
首元に埋められた彼の表情はわからないけれど、ゼロくんが理由もなくこんなことする人じゃないことくらいわかってた。
『ゼロくん…？なにかあった…？』
｢……｣
返事は返ってこない。
…もしかして、お兄ちゃんに関するなにかがあったのだろうか。なにかを見たか、言われたか。
きっとそれは、私の知り得ないことなのだろう。
だとしても放っておくなんて出来るはずもなくて、黙って彼を抱きしめ返した。
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
