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【Aside】
「それで、しろちゃんはまだ目を覚まさないんだ⋯⋯」
あゆちゃんと俊平くんがうちに来てすぐ
私はあゆちゃんから今日あった出来事を聞いた。
あまりにも衝撃的な話に、戸惑いが隠せなかったけど
でも、全部事実なんだよね。
あゆちゃんの隣で悲しそうに俯く俊平くんを見て、胸が締め付けられる。
「ごめんね、Aの体調が悪いときにに
いきなり来ちゃって。
私たちだけじゃ、抱えきれなくて⋯⋯」
「⋯⋯ううん。
私の方こそ、大変なときにそばにいられなくてごめんね」
もしも、私が2人の立場でもきっと普通ではいられないだろうな。
⋯⋯訳も分からないだろうし、今も⋯⋯2人はすごく怖いはずだ。
それに⋯⋯
「⋯⋯あの、海根さんの様子はどうだったの?」
「⋯⋯かなり、ショックを受けてた。
学校でもしろちゃんと一緒の時以外は一人だし⋯⋯」
「⋯⋯そっか」
あゆちゃんの言葉に
海根さんの悲しそうな表情を思い出して胸が締め付けられた。
海根さん⋯⋯
「⋯⋯A?どうしたの?」
「あ⋯⋯ううん、なんでもない。
熱も下がったし、明日にはまた学校に行けるから」
「そっか、よかった。
⋯⋯⋯じゃあ私、先に帰るね」
「え?」
鞄を肩にかけて立ち上がったあゆちゃんに、思わず驚く私。
「じゃあ、また明日」
「おう」
そんなあゆちゃんに手を振る俊平くん。
そしてあゆちゃんが部屋を出ていき
私と俊平くんの間に気まづい空気が流れた。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
⋯⋯どうしよう。とりあえず、昨日のことちゃんと謝らないと⋯⋯
「あの、俊平くん。⋯⋯昨日はごめんなさい。
酷いこと言っちゃって。⋯⋯色々と混乱してて」
手を振り払ったときの、俊平くんの悲しそうな顔が
ずっと脳裏に張り付いて離れなかった。
「いや、Aは悪ないよ。あれは全部俺のせいやから⋯⋯」
「え?それってどういう⋯⋯」
「俺、諦めてへんから。
あゆみも、俺も、絶対元の体に戻れるって信じてる」
「⋯⋯うん」
「それで⋯⋯全部が終わったらAに伝えたいことがある」
「⋯⋯うん。わかった」
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なっちゃん(プロフ) - 桐山めぐさん» 桐山めぐさんコメントありがとうございます!とても嬉しいです(,,ᴗ ᴗ,,)出来るだけ早めに続編が出せるように頑張ります! (9月12日 12時) (レス) @page19 id: f425ed1b5c (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - こんにちは!私は続編希望です☆火賀くん大好きなのでぜひよろしくお願いします(*^_^*) (9月10日 10時) (レス) @page19 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 桐山めぐさん» 桐山めぐさん返事が遅くなってしまい大変申し訳ございません。リクエストありがとうございます!出来るだけ早く上げられるように頑張りますので少々お待ちください。 (7月10日 4時) (レス) @page17 id: f425ed1b5c (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 完結おめでとうございます!よだか大好きなので楽しませてもらいました♪番外編楽しみにしてますね(*^_^*)リクエストいいですか?昔火賀くんと仲良かった女の子が現れて主人公ちゃんが嫉妬してしまうお話が読みたいです♪よろしくお願いします(^_^) (6月19日 9時) (レス) id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 全然大丈夫です!!火賀くんとの恋がめちゃくちゃ気になっていたので、ここからは2人の恋模様を描いて頂きたいです!!この後の展開もめちゃくちゃ楽しみにしてます(*^_^*) (6月19日 0時) (レス) @page16 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2023年6月7日 10時