腹黒彼氏 ページ4
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窓側の一番後ろの席がともくん。その前が私の席。
席に座って、一時間目の数学の授業の準備をしていると
「ねーねー、Aさん」
「えっ、あ⋯⋯なに?」
突然、隣の席の斎藤くんに声をかけられた。
「俺、数学の教科書忘れちゃってさ。
よかったら、机くっつけて一緒に見せてくんない?」
あ⋯⋯なるほど。忘れちゃったなら仕方ないよね。
そう思い私は頷いた。
「うん。いいよ」
「マジ?ありがとー。
⋯⋯でも、教科書忘れてよかったわ。Aさんと喋れたし
お近づきになりたいってずっと思ってたからさ」
⋯⋯お近づき?
あ、机をくっつけてほしいってことかな。
「うん、大丈夫だよ。じゃあ私の机をくっつけて⋯⋯」
そう言って机を持ち上げようとした瞬間
いきなり後ろから、ガンッ!とイスを引くような音がして
ビックリして振り返ると
「⋯⋯斎藤、教科書忘れたん?」
笑っているけど、どこか黒いオーラを放ったともくんがいた。
「あ、ああ⋯⋯。
忘れたから、Aさんに見せてもらおうと思って」
「へぇ⋯⋯。⋯⋯ほんまに忘れたん?」
ともくんはそう言って立ち上がると
斎藤くんの机にバンッとを手をついた。
「⋯⋯まさか、Aに近づくためにわざと忘れた⋯⋯
とかじゃないよな」
「⋯⋯⋯ッ、ち、違うって。
俺がそんなことするわけねぇーじゃん」
「⋯⋯ふーん。
じゃあ今から隣のクラスにでも借りに行ったら?時間もあるし」
「で、でも隣の席のAさんに借りた方が早いし
手間も省けるし?」
「手間⋯⋯ね。なら俺の教科書貸してあげるわ」
え、そんなことしたら
ともくんが授業受けられなくなっちゃうんじゃ⋯⋯。
そんな心配をしている間にも、ともくんは自分の教科書を
斎藤くんの机の上に、バンッと雑に置いた。
「別にええやんな?
Aに近づきたくてわざと忘れた訳ちゃうんやし」
「⋯⋯ッ、そ、そうだな。⋯⋯サンキュ」
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優衣(プロフ) - 夢主ちゃんが可愛すぎて困ってる神ちゃん😍次からのお話、楽しみにしてます✨ (4月4日 17時) (レス) @page7 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 優衣さん» 優衣さんいつもありがとうございます!更新頑張ります! (4月3日 23時) (レス) id: f425ed1b5c (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 私は、神ちゃんのキスには慣れません!!めっちゃドキドキしました😍💓続き楽しみにしてます✨ (4月3日 20時) (レス) @page6 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2022年11月21日 23時