腹黒彼氏と天然彼女

腹黒彼氏 ページ3

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無事に学校に到着。

ともくんとは1年生の時からクラスが一緒で
2年生になった今も同じクラス。




｢神ちゃん、おはよー｣


｢おはよ｣



教室には入った途端、クラスメイトの重岡くんが
私たちのところにやって来た。


明るい性格の重岡くんはクラスのムードーメーカー的存在で
ともくんとは中学生のときからの親友らしい。







｢Aちゃんもおはよ｣



｢おは⋯⋯⋯え？｣





笑顔で手を振ってくれた重岡くんが、一瞬で視界から消える。


それもそのはず。まるで重岡くんから私を隠すように
ともくんが私の前に立ったから。





｢⋯⋯なんやねん、神ちゃん。ちょっと挨拶しただけやん｣



うんうん。私もちゃんと挨拶したかったのに。

今の私の目にはともくんの大きな背中しか映っていない。






｢⋯⋯他の男の視界に可愛いAを映したくないねん｣


｢へ、へぇ⋯⋯。相変わらずAちゃんにゾッコンやな｣


｢当たり前やん。
⋯⋯Aに近づく男は抹殺するくらいの気持ちでおるから｣


｢いやいや、笑顔で怖いこと言うなや｣




ともくんにバレないようにひょこっと顔を出して
重岡くんを見ると、ひきつった顔をしていた。


だから、ともくんの制服の裾をちょこっと引っ張れば






｢ん？どうしたん？｣


振り返ったともくんは
いつもと変わらない優しい笑顔を浮かべて




｢あっ⋯⋯ううん。なんでもないよ｣



私も同じように笑顔を返して、それぞれ自分の席に向かった。






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