ごくせん

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｢初めまして。一条宏斗です。今日はよろしくお願いします｣




『……AAです。こちらこそよろしくお願いします』







日曜日。


お父さんに連れられてやってきたのはオシャレなカフェ。



一条さんたちに挨拶を済ませ、私は席に座った。








｢いやー、それにしてもさすがAさんの娘さん。
お綺麗ですな。
こんな美人を息子の嫁に迎えることができて光栄だよ｣




｢あなた。籍を入れるのはAさんが
大学を卒業してからですから、少し気が早いですよ｣



｢そうか？でも4年なんてあっという間だぞ｣



『……………………。』








私の気持ちなんてお構い無しにどんどん進んでいく話。







でも私は、この人と結婚する気は全くない。





頭の中に浮かんでくるのは隼人くんのことばかりで……



連絡を取らなくなってもう4日。




……早く隼人くんに会いたい。








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一条 ｢あの、Aさん｣



『……はい』



一条 ｢よろしければ2人で少しお話しませんか｣



『え？』






｢あら。宏斗、よっぽどAさんのことが気に入ったのね｣




｢では、私たちはそろそろ行きましょうか。
あとは若いおふたりで｣



｢そうですね｣



｢すみません。帰りは僕が責任持って
Aさんをお家まで送り届けますので｣



｢ええ。では娘のことよろしくお願いしますね｣









そう言ってお父さんたち4人はその場を去っていき
私と一条さんだけがここに残ることになった。





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