ごくせん

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矢吹 ｢じゃあ、また明日な｣


『うん。送ってくれてありがとう』








夜の7時。


隼人くんに家まで送ってもらい、門の前で別れる。








『ばいばい』



矢吹 ｢おう｣







ここまではいつもと変わらない光景、だった。









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｢A｣









『……お父さん』



矢吹 ｢え｣







後ろから名前を呼ばれて振り返ると
怖い顔をしたお父さんが立っていて。








『………………。』



｢そこにいるのが、例のお前の彼氏か｣






お父さんはそう言うと、鋭い目付きで隼人くんを睨みつけた。









矢吹 ｢あの、初めまして。俺……｣


｢まだ別れていなかったのか｣


矢吹 ｢え？｣


『…………っ、』





｢まさか娘の彼氏がこんな不良とはな｣




『やめてよお父さんっ』




｢君みたいな奴は娘に相応しくない。

もう二度とAに近づかないでくれ。行くぞA｣





『待って！お父さん！』









私の叫びも虚しく、お父さんは私の手を強引に引いて
そのまま家に向かって歩き始めた。






必死に抵抗するも、やはり力では適わなくて






玄関のドアが閉まると共に
最後に見えたのは悲しそうな顔をした彼の姿だった。






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