ごくせん

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それから手術中の赤いランプが消えて
先生が出てきたのは隼人くんが運ばれてきて3時間が
経った時だった。






｢先生、息子は……｣




｢手術は無事終わりました。今は麻酔で眠っていますが
あと30分ほどで目覚めると思います。もう大丈夫ですよ｣





先生は隼人くんのお父さんにそう言うと
頭を下げこの場を後にし
それからすぐストレッチャーに乗った隼人くんが
手術室から出てきた。









『隼人くん……』




｢……A、今は彼の隣にいてあげなさい。
私たちはここにいるから｣




『うん。ありがとう……』





お母さんの言葉に頷くと
私は隼人くんのお父さんと一緒に病室に向かった。








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病室内に響く一定の電子音。




酸素マスクをつけ、目を瞑った彼の頭には包帯が巻かれていて
顔にはところどころ擦り傷があった。





こうなったのも全て私のせい。








｢……………………。｣





ただジッと隼人くんを見つめる隼人くんのお父さんに
何を言えばいいのか分からない。









｢……Aちゃん｣



『はい』



｢自分を責めちゃダメだよ｣



『え……？』




｢隼人はAちゃんのことを全力で守った。
自分の危険を顧みないで大切な人を守るために
飛び込んでいくなんてなかなかできる事じゃない｣



『………………。』



｢きっと目が覚めたら
真っ先にAちゃんの心配をするだろうな。
こいつ、Aちゃんに惚れ込んでるから｣





そう言って優しく笑う隼人くんのお父さんに
気づけば私は泣いていて






｢絶対大丈夫だから｣



『はい』







どうか隼人くんが無事に目覚めますようにと
私は彼の手をぎゅっと握った。







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