ごくせん

side矢吹 ページ12

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気づけば走っていた。




Aが危ないと分かった瞬間
俺は彼女を守るように身体をギュッと抱きしめた。







そして次の瞬間、大きな音が響いたと共に
身体に大きな衝撃が走った。








矢吹 ｢………いっ、｣






背中を地面に大きく強打し、頭にも痛みが。









『……隼人くん？』



矢吹 ｢A……大丈夫か？｣






目の前にいるAはどうして俺がここにいるのか
混乱しているみたいだったけれど
俺にはそんなことを説明している余裕はなくて。




ただAに怪我がないか、それだけが心配だった。





矢吹 ｢どこも……痛くないか？｣




『うん。私は平気……。でも、どうして……』



矢吹 ｢言っただろ。……Aのこと守るって……｣







もう絶対に傷つけないって決めたから。
俺にとってすげー大事な存在だから。








『待ってて。今救急車を……』




矢吹 ｢いや、大丈夫だって｣




『ダメだよ。頭打ってるんだよ？

もし隼人くんに何があったら……』




矢吹 ｢大丈夫。病院は自力で……っ｣




『……隼人くん？』








あれ……、なんか頭がクラクラする。



さっきまで大丈夫なのに……









『隼人くん！』




矢吹 ｢………………。｣





急に意識が朦朧としてきて
俺はAの呼びかけに答えることなく
そのまま意識を失った。






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