ビター＆スウィート

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夜の7時。



晩ご飯のビーフシチューを作り終え


リビングのソファに座り廉くんの帰りを待つ。







……ちゃんと自分の気持ちを伝えなくちゃ。



それと、高月先輩のことも……。









────ガチャッ





それから少しして、玄関のドアが開く音がして


私は玄関へと向かった。









｢おかえりなさい。廉くん｣



永瀬 ｢ん、ただいま｣





いつもならここで廉くんからキスをしてくれるんだけど


今日は優しく頭を撫でるだけ。









｢……先にお風呂入る？｣




永瀬 ｢ううん。その前にちゃんと話したい｣



｢……うん｣









それからリビングにやってきた私たちは


二人でソファに座った。








永瀬 ｢……………………。｣



｢……………………。｣







けど、お互い何から話せばいいのか分からず続く沈黙。









永瀬 ｢……あのさ｣




それを破ったのは彼だった。









永瀬 ｢……俺、焦ってたんよ｣




｢……焦ってた？｣




永瀬 ｢前にも言ったけど


Aってほんまに男性社員から人気なんよ。


けど、Aはそれに全然気付いてないし


俺、毎日が不安でさ。


会社で付き合ってることを隠してる分


不利なことも多いし……｣





｢……………………。｣






永瀬 ｢もしAが危険な目にあったとき


ちゃんと守れんやんって｣








……廉くん、そんなこと思ってくれてたんだ。



なのに私、廉くんの気持ちも考えずに……。








永瀬 ｢でも、Aやって色々考えてたんよな。


なのに俺、急かすようなことして……ほんまにごめんな｣





｢……謝らないで。


私の方こそ、自分のことしか考えてなかった。


ごめんなさい｣






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