ビター＆スウィート

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永瀬 ｢……入って｣



｢……はい｣






電気をつけて資料室の中に入る。









｢………………。｣






……廉くん、さっきから私のこと全然見てくれない。




怒ってる、よね……。






もし廉くんが助けてくれなかったら


きっと今も橘くんと一緒にいたはず……。




前々からそういうのには気をつけてねって言われてたのに……。







｢……あの、廉くん｣






まだこっちを向いてくれない廉くんに


謝ろうとしたその時、こちらを向いた彼に腕をひかれて


気づけば私は廉くんの腕の中にいた。








｢……廉くん？｣




永瀬 ｢………………。｣






廉くんは黙ったまま


私の声にただぎゅっと抱きしめる力を強める。








……こんな廉くん初めてだ。









永瀬 ｢……なあ｣



｢……はい｣



永瀬 ｢……キス、していい？｣



｢えっ？｣






い、今……キスって言った？





｢え、あの……ここ職場ですよ？｣




永瀬 ｢うん。分かってるよ｣




｢も、もし誰かにバレたりしたら……｣




永瀬 ｢大丈夫。誰もこんよ｣




｢そ、そういう問題じゃ……んっ、｣






近づいてくる彼の顔にドキドキしながらも


さすがに職場でキスはダメだと言い訳を並べるけど


今の廉くんには効かないみたいで


いつもより少し強引に唇が重なった。







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