＊*102 廉side ページ13
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···ん？
家の前に、目を疑う車が停まっている。
リムジン···？は？
何であんな車がうちの前に···？
···って、A？
リムジンから降りてきたのは
Aと健人とかいう男だった。
俺の中で何かが崩れる音がする。
2人は楽しそうに笑いながら話していた。
···何や
心配してたけど、そいつに送ってもらったんか。
もしかしたら今日キツく当たってしまったことで
Aを不安にさせてしまったんじゃないかと
考えていたけれど、あの様子じゃそれはないか。
｢A···？｣
俺の声に、Aがこちらを向く。
俺の姿を瞳に映した途端、驚いた表情をした。
｢廉くん···｣
｢おっと···タイミングが悪かったみたいだね｣
Aの隣で男は悪気なさそうな顔で笑った。
｢そんなに睨まないでほしいな。
邪魔者は退散するよ｣
邪魔者···か。
もしかすると、この場で邪魔者なのは
俺なのかもしれない。
｢じゃあAちゃん、また明日ね｣
｢はいっ···ありがとうございました｣
Aはそう言って男に手を振って
男の後ろ姿を見送った。
その姿に心臓がズキッと痛む。
｢あいつに送ってもらったん？｣
自分でも分かりやすく不機嫌な声。
｢うん···｣
｢···そ。随分仲良いんやな｣
それ以上何も言わず
Aに背を向け家の中に入る。
後ろから慌ててAも追いかけるように
入ってきた。
｢れ、廉くん···っ、あの、話が、あるの···｣
ガチャりと、ドアが閉まった音と
Aの声が玄関に響いた。
話？
｢何？あいつと帰るの楽しかったって話？｣
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作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年7月29日 19時
