溺愛注意報《3》 (ページ17)

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＊*106 廉side ページ17

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｢すぐに変わるような気持ちなら

言わないで、ほしかったっ…優しくしないで…っ｣

······は？

｢何言ってんの？｣

ちょっと待って、話が見えへん。

…いや、本気で待って。

今Aは何て言った？

｢離して、っう｣

俺の腕から逃げようと必死にもがく小さな身体。

もちろんそんな弱々しい力で逃げられるはずがなく

そして俺が話すわけもなく

Aは俺の腕に捕らえられたまま。

これは夢かと、本気で思った。

だって

Aの口からとんでもない言葉が飛び出したから。

｢なあ、俺のことが好きって言ったん？｣

どうか聞き間違えでありませんように、と

柄にもなく祈りたくなる。

神にも縋る思いで聞き返せば

Aは下唇を噛み締めながら

眉の端を頼りなさげに下げる。

｢どうして、そんなこと聞くのっ…

ひ、ひどいよ…っ｣

｢待って、ほんまに？

A本気で言ってんの？｣

｢き、嫌いっ…｣

｢うん。分かったから。

なあ、俺のこと好き？｣

嫌だ嫌だと首を横に振り続けるAの背中を

一定のリズムで優しく叩きながら

落ち着かせた。

でも落ち着いていないのは俺の方で

心臓がすごい早さで脈を打っているのが分かる。

Aが、俺を好きって言った…？

もしこの涙が、俺を想ってのものなら───

｢…っぅ、…好きっ…｣

もう俺は

歓喜で死んでしまうのではないかとさえ思ったんだ。

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