＊*52 side廉 ページ3
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｢それじゃあ行ってくるわね〜！｣
｢2人とも何かあったらいつでも連絡するんだよ｣
｢はい。頑張ってきてくださいね。
いってらっしゃい｣
笑顔のAに見送られ
スーツケース片手に家を出て行った
早織さんとバカ親父。
俺はいってらっしゃい、なんて微笑んで見送れる
気分ではないので早織さんに会釈だけした。
今日から一週間、Aと2人きり。
···いや、無理やろ。
｢私たちもそろそろ行く？｣
｢···あぁ｣
可愛らしく首を傾げて聞いてくるAに
それだけの返事を返す。
.
家を出て他愛もない話をしながら歩き
駅に着いて電車にのる。
昨日と同じように
Aが苦しくならないように壁に寄せて
周りの奴とぶつからないように周りを囲った。
···危ないからな。
昨日は本当に心臓が止まるかと思った。
当たり前のように一緒に帰ると思っていた俺は
授業が終わってすぐにAの教室に向かった。
しかしAの姿が見当たらない。
嫌な予感がし
教室を必死に見渡した俺に1人の女が近づいてきて···
｢も、もしかしてAAをお探しで？｣
｢あ、うん···｣
｢や、やっぱり！
Aならあの、さ、さっき帰りましたよ！｣
どうして分かったのかとか
そんなことも考える余裕が無くなるほど焦った。
1人で帰った？っ、あのバカ···！
あんなちっこくて警戒心なさそうな生き物が
1人で電車に乗るなんて危なすぎるやろ。
走って追いかけ
電車に乗るAが見えたので
後を追うように乗り込む。
急いで駆けつけると
案の定、Aに近づく黒い影があった。
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作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年7月25日 0時
