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「ちょっと待って、A?

あー、ごめん。俺が悪かったから泣かんといて」



「廉くん、は、何も悪くないっ···」




「いや、俺が悪かった。

大人気なかったな、ほんまにごめん」





腕を優しく掴まれ、引き寄せられる。


次の瞬間にはもう、私は廉くんの腕の中にいて。



聞こえる心音が、とても心地良い。





「Aに怒ってるわけやないからな?

あの男に嫉妬しただけ」



あの、男?




「健人とかいう、さっきの奴」



「健人さんは

迷ってた私を案内してくれただけだよ···」



「健人、さん?」



廉くんが再び不機嫌になっていくのが分かる。







「あの男にあんま近づくなよ」



「どうして?」



「俺が嫌やから」




な、何それっ···!






「それにさ···Aは俺のこと

親戚みたいな存在やと思ってる?」






寂しそうな、苦しそうな顔の廉くんが

私の顔を覗き込んでくる。







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作者名:なっちゃん | 作成日時:2020年7月25日 0時

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