Heureux amour【短編集】

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生まれて初めて、男の子に呼び出された。




｢Aさん、少しいいかな？｣



帰りのホームルームを終え、帰る準備をしている時だった。




隣のクラスの男の子に呼び出されたのは。




名前は確か······松本くん、だった気がする。





『は、はい』




急な事に戸惑いながらも、私は彼のあとについて行った。






そして着いたのは人通りの少ない校舎裏。









｢あの·····俺、ずっとAさんのことが気になってました｣



『·····えっ？』





しばらくの沈黙後、先に口を開いたのは目の前にいる彼で。




しかもこれって·····"告白"？





｢俺と付き合ってもらえませんか？｣




私を見つめる彼の瞳は真剣そのもので。



嘘をついているようには見えなかった。





『·········。』



告白してくれたことはすごく嬉しい。





だけど私は·····




私は廉のことが好きだから。





だから·····



『·····ごめん、なさい』




松本くんの気持ちには答えられない。







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