永瀬くんは溺愛彼氏〜Firststory〜

片思い ページ1

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＿＿＿高校一年・冬




2月14日はバレンタインデー。



期待してないっていったら嘘になる。





｢あと一週間でバレタインデーか‥‥｣



｢今年こそは義理でもなんでもいいからほしい！｣





友達の優太と勝利の話を横で聞きながら


クラスメイトのAちゃんを見つめる。





可愛いなー。




友達と楽しそうに笑い合っている彼女を見て


そんなことを思う。







｢おーい、れーん！｣





名前を呼ばれて隣を見ると優太と勝利が


二人でニヤニヤとした笑みを浮かべこっちを見ていた。





どうやら二人には俺がAちゃんを見ていたことが


バレていたらしい。






｢ねぇ優太くん。廉くんは今誰を見てたの？｣





｢それはAち‥うっ！んん〜〜！｣





コイツー！！


今絶対にAちゃんの名前叫ぼうとしたよな！？



ギリギリのところで優太の口を押さえて周りを見ると


みんな俺達の方を見ていて


その中にはAちゃんの姿もあった。





｢……………っ、｣





ヤバ！Aちゃんと目が合ってしまった。




でもAちゃんはすぐに俺から目を離して俯いてしまった。





ここから見えるAちゃんの頬が少し赤いのは


気のせいやろうか‥‥。





そんな事されたら期待するんやん‥‥。







｢Aは本命チョコ誰かに渡したりしないの？｣






そんな言葉が聞こえてきてはっと我に返った。




Aちゃん好きな人おるんかな‥‥。




やとしたらめっちゃショックなんやけど‥‥。






そんな事を思いながら恐る恐るAちゃんを見る。







｢‥‥渡したいなって思ってる人は、いる‥よ？｣






頬を赤くして、幸せそうに笑う彼女。



好きな人の幸せが自分の幸せとかよく聞くけど


今は彼女に思われている奴がただただ羨ましい。



……そう思った。





告白する前に失恋か‥‥。





Aちゃん以外の子からのチョコは


欲しくないって思ってたんやけどなー。





そんな事を思いながら自分の机に顔を伏せた。





Aちゃんが切なそうに俺を見ていたとも知らずに‥‥。




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