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蕎麦屋のカツ丼とは何故こんなにも美味しいのだろうか。
なんて思いながら机の端に置かれていた七味をダバダバかけていたら、由美が話を元に戻した。
｢で？あんたその元カレに未練でもあるの？｣
『………………そんなのあるわけ』
｢｢あるのね｣｣
『ないってば！！！！』
大きな声で否定したのに、２人はいじわるな笑みを浮かべながら｢へぇ〜｣と私を見る。
面白いことを聞いたとでも言いそうな表情だ。私の否定にはまるで取り合わない。
｢なるほどねぇ、元カレが忘れられないから彼氏の1人も作らなかったってわけ｣
｢まだ好きなの？案外一途なのね｣
『だ、だから…！』
｢いいじゃない、そんなに意地張らなくても。私達の前でくらい本音出せば？｣
『うっ…』
気心知れた友人にそう言われてしまえば返す言葉はない。浮かしかけた腰をおずおずと下ろした。
あ〜〜今まで誰にも言ってなかったのに…
けど、うん、良い機会かも。
忘れようとしていたはずなのに顔を見れば想いは膨らむ。
１人で抱え込んでいてもきっとこれ以上進めない。誰かに相談するのは正解だろう。いい友達を持ったものである。
大人しくなった私に彼女達は軽く笑い、話を続けた。
｢それで？寄りを戻したいとか思ってるの？｣
『それはない。戻せるとも思わないし。
ほんとは早く忘れてしまいたいの』
｢ふーん…でも同じ部署なら避けるのは得策じゃないもんねえ｣
そうなのだ。仕事に私情を挟むのは論外。
しかも避けるどころかこの前なんて……いや、やめよう。仮眠室でのことは忘れるって決めたんだった。
２人はうーん、と首を捻る。
すると、意外なことに美和子が人差し指を立てて１つの案を出してくれた。
｢新しい恋を始めてみる、とか？｣
｢そーね、それが１番早いんじゃない？｣
『あたらしいこい…？』
恋…新しい恋…いまいちピンと来なくてカツ丼を食べる手を止める。
『それにしたって相手が…』
｢異動先に良い人いないの？｣
『……うーん』
｢ま、婚活でも合コンでもしてみればいいじゃない。意外とすぐ見つかるかもよ？Aの王子様｣
おうじさま、と同じ言葉を口の中で転がした。
なるほど、今まで特に結婚したいとも思わなかったしそういう類のものからは遠ざかっていたけれど、その手はありかもしれない。
今後の仕事の為にも、あの人への想いはさっさとすっぱり断ち切りたいのだ。
カツ丼を食べ終わった私は２人にお礼を言い、気合を入れ直した。
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立夏(プロフ) - 明里香さん» わ〜！ほんとですね！ありがとうございます！！直しておきました！！ (2019年1月22日 0時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「聞こえ気がした」ではなく、「聞こえた気がした」です。 (2019年1月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - でねぼらさん» ありがとうございます！可愛く書けたらなと思っていたので嬉しいです！！ (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
でねぼら(プロフ) - 夢主可愛い降谷可愛い (2019年1月7日 0時) (レス) id: eac5f4ad2f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - レッド・アイさん» わぁぁ３回も！？ありがとうございます…！！ほんと元カップルっていう距離感の微妙な関係が大好きで…ストライク決められて嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2019年1月6日 12時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年12月24日 21時
