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降谷side
独特の匂いが香る白い廊下を歩く。
看護師さんたちが忙しなさそうにその隣を駆けていった。
昨夜犯人を緊急確保して夜通しバタバタしていたところからようやくひと段落ついたのだ。
そろそろ起きるかもしれないし、一応あいつの様子を見に行こうかと思って警察病院に来ていた。
盛られた毒については一時的なもので特に問題はないらしい。めちゃくちゃ安心した。
というか音声で異変に気づいた時は久々に本気で焦った。ギリギリ間に合ったものの心臓が止まるかと思った。
聞こえた気がした俺の名前は…多分、幻聴かなにかだろうけど。
そんなことを考えながら廊下の角を曲がる。その時だった。
｢あ｣
｢…あ｣
背の低い男性とぶつかりかけたと思ったらそこには南。
…来てたのか。南は何故か俺から目を逸らす。そして背後を指さして言った。
｢七瀬さん、目覚ましましたよ｣
その知らせを聞いてホッと息をつく。
南が仕事に戻ろうとしてるってことは大事はないのだろう。
｢わかった、ありがとう｣
それだけ言ってとりあえず病室に向かおうとする。
しかし、出しかけた足を寸前で止めた。待てよ。なにかおかしい。あいつの方へ気が行き過ぎて見落としそうになった変化。
…今こいつ、彼女のことをなんて呼んだ？
そのままの姿勢で南の方を振り返る。
彼は薄く笑って俺を見ていた。
南は…あいつのことを、苗字じゃなくて名前で呼んでたはずなのに。
｢振られたんですよね｣
｢…は？｣
いきなりすぎる言葉に目を見開く。
振られ…え？南が？あいつに？
そう簡単には飲み込めなくてなにも返せない。彼は笑ったままで俺に１歩近づいた。
｢降谷さん、俺はもう手を引きますから、そろそろあなたも素直になって下さいね｣
｢なに言って…｣
｢俺だってそんなにお人好しじゃないですからね？もう世話焼いたりしませんからね｣
｢焼かれた覚えはないが｣
｢あはは、どの口が言ってるんですか｣
こんな時まで生意気。
南は一瞬眉を下げて、俺に背を向ける。
｢あなた達が引っ付いてくれないと、俺だってすっきりしないんですよ｣
｢……｣
それだけ言って出口の方へ歩く背中を見つめる。
これ以上なにか言う気にもなれなくて、黙って最初の目的地に足を進めた。
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立夏(プロフ) - 明里香さん» わ〜！ほんとですね！ありがとうございます！！直しておきました！！ (2019年1月22日 0時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「聞こえ気がした」ではなく、「聞こえた気がした」です。 (2019年1月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - でねぼらさん» ありがとうございます！可愛く書けたらなと思っていたので嬉しいです！！ (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
でねぼら(プロフ) - 夢主可愛い降谷可愛い (2019年1月7日 0時) (レス) id: eac5f4ad2f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - レッド・アイさん» わぁぁ３回も！？ありがとうございます…！！ほんと元カップルっていう距離感の微妙な関係が大好きで…ストライク決められて嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2019年1月6日 12時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年12月24日 21時
