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白い布団を握って、恐る恐る南くんの方を見た。
彼の瞳は大きく見開かれていて、目が合った瞬間に頭を下げた。
『本当にごめんなさい…っ！
好きって言ってもらえてOKまでしたのに…！』
｢……｣
彼は呆然と私のことを見ている。
しかし、少ししてから何故か軽く笑った。そしてこう続けたのだ。
｢…やっぱり、降谷さんが好きですか？｣
『…え？』
なんでそれを、と顔を上げる。
元カレが降谷さんであることは言ってないはずだ。
もしかして態度でわかっただろうか。それとも彼から聞いたのだろうか。
それはわからないけど、南くんは床に膝をついて私と目線を合わせた。
｢本当は心のどこかでわかってたんです。
大見得切ってあんな告白したけど、きっと俺は降谷さんには叶わないんだろうなって｣
『………』
｢それでも好きだって伝えたくて、抑えきれなくて、Aさんの気持ちをわかったままで告白したんです｣
窓から入り込んできた風が彼の前髪を揺らす。
撃たれてないはずの胸が痛んだ。
｢ちゃんと言ってくれてありがとうございます。
Aさんと付き合えて楽しかったです｣
そう言って彼は立ち上がる。
そして伸ばされた手は、私の横を通り過ぎてナースコールを押した。
『…っ南くん、』
｢これからは普通に職場仲間としてやっていきましょうね、Aさんがこのことを気にする必要なんてありませんから｣
南くんはカバンを手に取ってドアの方へ歩き出す。
廊下から誰かが歩いてくる音がする。
病室を出ていく直前、彼は私の方を振り返って言った。
｢Aさん、ちゃんと幸せになって下さいね｣
『……っ』
入れ違いに入ってきた看護師さんが何かを言っている。
けれど、頭には入ってこなかった。
南くんは本当に優しくて、気が利いて、かっこよくて、私にはもったいないくらい素敵な人だった。
好きにならせてみせると言ってくれた。好きになりたいと思った。
悪いのは私の方だ。
こうなった今でさえあの人以外を好きになれる気なんてしない。
こんな私がいつまでも南くんに甘えるなんてできるわけない。
ベッドの後ろの壁にゴンッと後頭部を打つ。
｢七瀬さん？聞いてますか？｣という看護師さんの言葉には適当に返事をした。
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立夏(プロフ) - 明里香さん» わ〜！ほんとですね！ありがとうございます！！直しておきました！！ (2019年1月22日 0時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「聞こえ気がした」ではなく、「聞こえた気がした」です。 (2019年1月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - でねぼらさん» ありがとうございます！可愛く書けたらなと思っていたので嬉しいです！！ (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
でねぼら(プロフ) - 夢主可愛い降谷可愛い (2019年1月7日 0時) (レス) id: eac5f4ad2f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - レッド・アイさん» わぁぁ３回も！？ありがとうございます…！！ほんと元カップルっていう距離感の微妙な関係が大好きで…ストライク決められて嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2019年1月6日 12時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年12月24日 21時
