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とはいっても、どれだけゆっくり進んだところで仮眠室はすぐそば。あっという間に着いてしまう。
起こすだけ。起こすだけだ。パッと起こしてサッと帰ろう。
息を吸って、吐いて、意味もなく音を立てないようにそーっと仮眠室のドアを開けた。
『失礼します…』
風見さんが言ってた通り、降谷さんはベッドの上で眠っていた。
相変わらず羨ましいくらい綺麗な寝顔だ。
思わず見とれそうになったが、ぶんぶんと頭を振って声をかけた。
『降谷さん、朝です。起きて下さい』
｢んー…｣
彼は呻きながらゴロンと寝返りを打つ。
そしてあろうことかまたすやすやと寝入ってしまった。
…ほら見ろ！どこが一声かければ起きるのよ！私が当時どれだけ苦労したと思ってるんだ！！
とにかくさっさと起きてもらわないと困る。仕事はまだ残ってるのだ。
私は彼の顔を覗き込み、遠慮なくペシペシと叩いた。
『降谷さん！降谷さーん！起きて下さいってば！』
｢うー…うるさい…｣
『うるさいじゃないです！やらなきゃいけない案件溜まってるんですよ！』
｢あとちょっと…｣
『ダメだってば！さっさと起きてよ！いい加減にしないと蹴り飛ばすぞ！私の回転蹴り食らわされたいの！？』
後半はもう上司であることを忘れて完全に敬語が抜けていたが、これだけ起こしても起きないなら仕方ないだろう。
あぁもう！この野郎、いっそ水でもぶっかけてやろうか。
寝不足の頭でそんなことを考えながらペチペチ頬を叩き続ける。
小麦色の肌が少し赤くなってしまって、流石にやりすぎたかなと彼の頬に手を添えた。
…まぁいいや、あとで怒られても起きなかった降谷さんが悪いってことにしよう。
なんて思いながら今度は鼻でもつまんでやろうかと考えていた時のことだった。
うっすらと、アイスブルーの瞳が開かれた。
久しぶりに至近距離で見た綺麗な瞳に息が止まりそうになる。それを誤魔化すように声をかけようとしたその瞬間。
｢───A｣
ずっと呼ばれてなかった名前を、確かにその声で呼ばれた。
『え？ふる…っ』
そして気づいた時には後頭部に手が回されて、唇が重なっていた。
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立夏(プロフ) - 明里香さん» わ〜！ほんとですね！ありがとうございます！！直しておきました！！ (2019年1月22日 0時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「聞こえ気がした」ではなく、「聞こえた気がした」です。 (2019年1月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - でねぼらさん» ありがとうございます！可愛く書けたらなと思っていたので嬉しいです！！ (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
でねぼら(プロフ) - 夢主可愛い降谷可愛い (2019年1月7日 0時) (レス) id: eac5f4ad2f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - レッド・アイさん» わぁぁ３回も！？ありがとうございます…！！ほんと元カップルっていう距離感の微妙な関係が大好きで…ストライク決められて嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2019年1月6日 12時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年12月24日 21時
