検索窓
今日:122 hit、昨日:425 hit、合計:856,215 hit

16 ページ17

なんでよりによってこの場所でこの人と2人にならないといけないんだ…

視界の端に映る浴衣を着た男女が眩しい。

手なんて繋いでお祭りデートかぁ。私にもあんな時期があったっけ。

会場の隅の駐車場。運転席に座る彼にバレないようにこっそりため息を零した。


…うん、いつまでもこんなこと思ってたって仕方ない。仕事仕事!集中しろ!!

公私混同は御法度!彼はただの上司だ!

気を引き締め直してシートベルトを外し、彼の方に目を向ける。

しかしその瞬間、目に飛び込んできた褐色の肌に、私は座席から飛び上がった。


『な…っ!??ななななんで脱いでるんですか!!!』

「え?」


いきなりの衝撃的すぎる絵面にゴンッと後頭部を打ち付けた。な、なに考えてるのこの人…!!

隣にいた彼はあろうことかスーツからワイシャツまで全部脱いでいて上半身は完全に裸。

薄暗いとは言ってもガッツリ見えて慌てて目を覆った。


「なんでって…祭りにスーツじゃ向こうに勘づかれるかもしれないから私服に着替えようと…」


キョトンとした顔でそう答えるデリカシーゼロ上司。

言ってることは分かる。私だって本庁で私服に着替えたし、彼は忙しくて今まで着替える暇がなかったのだろう。だとしても…!


『それならそれで着替える前に言って下さいよ!!』

「はぁ?俺の裸くらい今更だろ」

『そういう問題じゃないです!!もう!外で待ってますからね!!』


逃げるように車から降りて少し離れたところまで歩く。

ほんっっとありえない…こういうとこはなんにも変わってない。

そりゃ彼の裸くらい何度も見たことあるけど、もう何年も前だしそんなの関係ない。


「七瀬」


名前を呼ばれて振り返れば白い服に着替えた彼。

ふいっと顔を背けて歩き出した。

服の上から拳銃の位置を確認する。

切り替えろ。今から仕事の時間だ。

そうは思うものの、頭の隅では初めてここへ来た日がまるで古びたフィルムのように回っていた。

17→←15 サファイア



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (540 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1649人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

立夏(プロフ) - 明里香さん» わ〜!ほんとですね!ありがとうございます!!直しておきました!! (2019年1月22日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「聞こえ気がした」ではなく、「聞こえた気がした」です。 (2019年1月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - でねぼらさん» ありがとうございます!可愛く書けたらなと思っていたので嬉しいです!! (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
でねぼら(プロフ) - 夢主可愛い降谷可愛い (2019年1月7日 0時) (レス) id: eac5f4ad2f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - レッド・アイさん» わぁぁ3回も!?ありがとうございます…!!ほんと元カップルっていう距離感の微妙な関係が大好きで…ストライク決められて嬉しいです!!更新頑張ります!! (2019年1月6日 12時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:立夏 | 作成日時:2018年12月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。