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lesson 30 ページ31

「A、お前宿題終わったのかよ」

『うー…終わってない…』


真面目に宿題に励む零ちゃんの一言に、私は携帯を持っていた手を下ろした。

今いるのは零ちゃんの部屋。

私も明日の小テストの勉強しないとなぁ…

一旦部屋に戻って勉強道具取ってこなきゃ。

…そうだ、ついでに手紙も持ってこよう。


その考えに至った時、頭をよぎるのは昼間のひーちゃんの言葉。

逃げるなよ。ちゃんと考えろ。

そう言われてしまった。


パクンと携帯を閉じる。

そうだよね…考えなきゃ。

でもどうすればいいんだろう。

動けば、なにか変わるのだろうか。


勉強している零ちゃんをじっと見つめる。

まつげ長いなぁなんて関係ないことを考えた。

少ししてから零ちゃんがこっちに気づいて顔を上げる。

バチッと目が合って、咄嗟に逸らしてしまった。



……もし。もし私からキスしてみたら、なにかわかるだろうか。

キスはいつも零ちゃんからで、私からしたことはない。

不思議そうに私を見ている零ちゃんの方をもう1度見る。


うん、物は試しだ。

考えるのは苦手なんだから、とりあえず動いてみないと。


小さな机の上に手をついた。

そのまま零ちゃんに顔を近づける。



「…え?A?」

『零ちゃん、目閉じて』


なにがなんだかわからない様子で言われた通りにキュッと目を閉じた零ちゃんを、心のどこかで可愛いなぁなんて思った。

うっ…じ、自分からするって思ったより照れるな。

いつもは待ってるだけだったけど、今回はそういうわけにもいかない。

急に恥ずかしくなってきて、まだ少し距離があるのに私の方も目を瞑ってしまった。


結果、少しだけズレたところに唇が当たった。

多分、1秒くらいだったと思う。

それでも耐え切れなくて、パッと離れてしまった。



『あはは…思ったより難しいね、キスって』


なんだかいたたまれなくて、そう言って軽く笑う。

綺麗な瞳を開いた零ちゃんは、目をまん丸にしていた。


うーん…意外とキスが難しいことくらいしか収穫はなかったな…

なにかわかるかもって思ったけど、結局なにもわかんなかった。


「A、なんで…」

『え?あ、いや…なんとなく?』


まだ目を丸くしている零ちゃんに笑って誤魔化す。

さて、勉強道具取りに行かないと。

そう思って立ち上がったが、急に零ちゃんに手を引っ張られた。



******
ハイパー今更ですが新作です!よろしければ。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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ふゆーれい(プロフ) - に、ニヤニヤが全くとまりませんでした…。あと隣の子から預かってた手紙を零に渡す所が何か辛かった()面白かったです!今更ですが、完結おめでとうございます! (2022年7月25日 22時) (レス) @page42 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
はろーきてぃ様。 - めっちゃ面白かったです!!さいこおお!がんばれえええ! (2022年5月27日 23時) (レス) @page42 id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 告白しようとした美少女の性格が好きすぎる…めっちゃカッコいいから振られたとしても堂々としてそうだなぁ (2021年4月17日 13時) (レス) id: 6e0ab3a00d (このIDを非表示/違反報告)
mami - 完結お疲れ様です!凄く面白かったです! (2019年8月5日 5時) (レス) id: 3ba7cafabb (このIDを非表示/違反報告)
盛りそば。 - なにこれ……萌しかないじゃないですか…尊死(( (2019年7月21日 15時) (レス) id: 2b295a992e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年6月15日 21時

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