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lesson 24 ページ25

降谷side


『えへへ〜れーちゃーん』


きゅーっと俺に抱きつく赤い顔のA。

酔って…え?なんでこいついきなり酔っ払いみたいになってるんだ?

さっきからずっと考えようとしてるのに、腰に回された手と甘ったるい声に邪魔されまくってる。


お、おお落ち着け俺…!

こんなくらいで思考停止してたら警察官は務まらないぞ…!

ふーっと深く息を吐いてAの頭に手を乗せた。


夕飯食べてからずっと一緒にいたけど、当然酒なんか飲んでない。

口にしたのは麦茶くらいだ。

そう、あとはさっき食べたチョコ…


「……あ。」


そこまで考えてようやくわかった。

こんなのもわからなかったなんて、俺相当やばいな。


あーーー、チョコか…

そういえばあれ、ちょっと酒の味したなぁ…

にしてもあの程度でここまで酔うのかよ。

流石に弱すぎじゃないか?


ようやく頭が冷えてきてAの体を離して顔をのぞき込む。

トロンとした瞳で首を傾げられた。

うわっ…かわいい…


しかしそう思えたのも束の間。

急に肩を掴んで離されたAが不機嫌そうに俺の腕に彼女の腕を絡めてくる。

むにっと柔らかいものが腕に押し付けられ、ぶわっと熱が戻ってきた。



「ちょ、おい!A!!当たってる当たってる当たってる!!」

『んー…なにー?』

「ほんとに勘弁してくれ!!離れろ!!」

『ええー?もう、れーちゃん照れ屋さんだな〜』


うるせえよ!!!と心の中で叫びながらなんとかAを剥がす。


『あっつ…』

「待て待て待て脱ぐな脱ぐな!!脱ぐのだけはやめろ!!おいA聞けえ!!!」


無理やり服を抑えつけて阻止した。

もうやだ。ほんとやだ。

苦行かよ。俺これいつまで耐えればいいんだ。



「はぁ…A、水飲んで」

『んん〜』

「もー…」


唸るだけでコップを受け取らないA。

でも水は飲んどくべきだろう。

仕方ない。

一口含んで、口移しでAに水を流し込む。

触れた唇がいつもより熱くてドキッとした。


離れてから、Aはふにゃっと緩く笑った。



『れーちゃん』

「ん?」

『れーちゃんれーちゃんれーちゃん』

「…なんだよ」


溶けた瞳で見つめられる。


『大好きだよ』

「〜〜〜っ」


な…んだなんだよこいつ!!

嘘だろ、言うだけ言って寝やがった。

ほんと勘弁してくれよ…!

どうせその“好き”も俺と同じ“好き”じゃないくせに…!

ため息をついて熱を逃がしながら、寝息を立てるAを抱え上げた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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ふゆーれい(プロフ) - に、ニヤニヤが全くとまりませんでした…。あと隣の子から預かってた手紙を零に渡す所が何か辛かった()面白かったです!今更ですが、完結おめでとうございます! (2022年7月25日 22時) (レス) @page42 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
はろーきてぃ様。 - めっちゃ面白かったです!!さいこおお!がんばれえええ! (2022年5月27日 23時) (レス) @page42 id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 告白しようとした美少女の性格が好きすぎる…めっちゃカッコいいから振られたとしても堂々としてそうだなぁ (2021年4月17日 13時) (レス) id: 6e0ab3a00d (このIDを非表示/違反報告)
mami - 完結お疲れ様です!凄く面白かったです! (2019年8月5日 5時) (レス) id: 3ba7cafabb (このIDを非表示/違反報告)
盛りそば。 - なにこれ……萌しかないじゃないですか…尊死(( (2019年7月21日 15時) (レス) id: 2b295a992e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年6月15日 21時

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