lesson 23 ページ24
楽しかった夏休みも今日で終わり。
最終日の午後11時半。
ギリギリ滑り込みで、私は全ての宿題を終わらせた。
『セーフッ!やっと終わった〜!!』
「ん、おつかれさま」
隣で付き合ってくれていた零ちゃんにお礼を言う。
キスのこと教えるかわりにひーちゃんが数学の宿題見せてくれるはずだったのに、零ちゃんからNGが出てしまったのだ。
自分でやらないと意味ないだろ、なんて言われてしまえばぐぅの音も出ない。
やっぱり零ちゃんは真面目だなぁ。
なんて思いながらゴロゴロ床に寝転ぶ。
と、そばに置かれた小さな箱が目に入った。
『ん?なにこれ?』
「あぁ…貰い物のチョコ。食べていいぞ」
『ほんと!?やったー!』
宿題ばっかで頭使ったから、ちょうど糖分欲しいなって思ってたんだよね〜!
可愛らしい箱を開けて、ありがたく頂戴する。
金の包み紙を開いて丸いチョコをコロンと口の中に放り込んだ。
その時だった。
零ちゃんの青が、一瞬深く染まった。
『? れーちゃ……んっ』
気づいた時にはもう遅い。
零ちゃんの整った顔が目の前にきて。
せっかく貰ったチョコレートをいとも簡単に舌で奪われた。
かと思えばすぐにまた押し戻されて、甘ったるい味が口の中に広がる。
『ちょ、…ん、ふぁ』
「……っ、は」
溶けたチョコレートを唾液と一緒にコクンと飲み込んだ。
あまい……
そんなに甘いチョコじゃないはずなのに、砂糖を煮詰めたみたいに甘くて、頭がクラクラする。
まだチョコは溶けきらなくて、コロコロと転がされる。
『んん…っれーちゃ、』
「あっま…」
低い声が耳に届いて腰が砕けそうになった。
零ちゃん、ひと夏でキス上手くなりすぎでしょ…
最近本当にキス魔になったよね。
隙あらばキスしてくるんだから。
『はぁ…っは、』
ようやく唇が離れる。
額に軽くキスを落とされた。
「…そろそろ寝るか」
『んっ…そ、だね』
答えてから深呼吸して息を整える。
もー…零ちゃんの方はすっかり余裕そうだよね、ずるいなぁ。
今日なんてすごい頭ふわふわしてるもん。
なんでか今更になって暑くなってきた。
ぼーっとするなぁ…どうしたんだろう。
「…A?」
零ちゃんに名前を呼ばれて顔を上げる。
『んー?』
「どうした?顔赤くないか?」
『そうかなぁ』
しかしそう答えた次の瞬間、グラリと視界が傾いた。
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ふゆーれい(プロフ) - に、ニヤニヤが全くとまりませんでした…。あと隣の子から預かってた手紙を零に渡す所が何か辛かった()面白かったです!今更ですが、完結おめでとうございます! (2022年7月25日 22時) (レス) @page42 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
はろーきてぃ様。 - めっちゃ面白かったです!!さいこおお!がんばれえええ! (2022年5月27日 23時) (レス) @page42 id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 告白しようとした美少女の性格が好きすぎる…めっちゃカッコいいから振られたとしても堂々としてそうだなぁ (2021年4月17日 13時) (レス) id: 6e0ab3a00d (このIDを非表示/違反報告)
mami - 完結お疲れ様です!凄く面白かったです! (2019年8月5日 5時) (レス) id: 3ba7cafabb (このIDを非表示/違反報告)
盛りそば。 - なにこれ……萌しかないじゃないですか…尊死(( (2019年7月21日 15時) (レス) id: 2b295a992e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年6月15日 21時