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43話 ページ45

降谷side


「は?告られた…?」

『はい』


微妙な顔でAがコクリと頷いた。

徹夜が続いてようやく家に帰ってこれた時、寝る直前に連絡先の書かれたメモを見つけた俺はAを問いただし、その話を聞いたのだ。


相手は小学校の頃の同級生。

バイト最終日に告白されたらしい。

なんとなくそいつがAのことを好きであろうことは気づいていた。


正直に言ってしまえば、面白くはなかった。

でもいつでも降谷さん降谷さんとついてくるAは俺のことがわかりやすく好きだし、別に大丈夫だろうと高を括っていた。


多分、寝不足だったからだ。

寝不足だったから変な方向に思考が飛んでしまった。


告白されたという言葉を聞いた時、浮かんだ感情は嫉妬ではなかった。

そういえば、なんでこいつは俺のことが好きなんだろう。

そんな疑問がふとよぎった。


こいつが組織にいた時、唯一仲良くなった男が俺だった。

思春期真っ只中に唯一出逢った男が俺だった。

あれ…?なんか嫌な考えが浮かんだ気がする。


俺は何人もの女性と会って、それでAを好きになったけど、Aは周りにいた男は俺だけで、だから俺が特別になるのは当然で。

今まで出会った男の人数が少なければ俺を選ぶのも自然なことで。

だとしたら、これから色んな人と出会った先に俺より好きだと思う人がいるかもしれないんじゃないか?


あとから思えばなんて面倒くさくて意味のわからない考え方なんだと思った。

でも寝不足の回らない頭で考えた時、思ってしまった。

15年間抑えつけられた生活を送って、ほとんど誰にも会わずに過ごして、その時出会った俺を慕ってくれた。

そんな彼女が本当に好きな人と出会った時、俺が抑えつけるわけにはいかないじゃないかって。

そして思考力が鈍りまくった俺は、Aの肩を掴んで言ってしまったのだ。



「A、好きな人できたらちゃんと言えよ」


『……………はい?』


Aは笑顔のまま首を傾げ、そのまま固まった。

恐らく言葉の意味を考えていたのだろう。俺も言った後でそれを考えた。

…なんか大分意味不明なことを言わなかったか?


気づいた時にはもう遅い。

Aの眉が一気につり上がって、頬が怒りで紅潮した。

あ、キレる。そう思った次の瞬間、近所迷惑も甚だしい声が耳を劈いた。


『バカ!!!降谷さんのことなんかもう知らないです!!!』


バンッと勢いよくドアが閉められる。

その日、Aは俺の家から出ていった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い! 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー! もし、よかったら、私のも、読んで 下さい! (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます!!犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです!!!!!31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ??思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます!!!ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月8日 22時

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