36話 ページ38
『疲れたぁ…』
家のソファにドサリと腰を下ろした。
ただいまポアロから生還しました、犬飼Aです。
あのあとずっと質問攻めにあってて誤魔化すのにすごく苦労したのだ。
告白の時の話を聞かれて私がバカ正直に『ビルが爆発する直前に…』とか言いかけて降谷さんと新一くんで必死に揉み消してくれたりとか。
「だから言ったろ」
降谷さんのそんな声が上から降ってくる。
彼の方もちょっぴり疲れ気味。
むむむ…私体力には自信あるんだけどなぁ、やっぱり頭使うとダメだね。
『でも楽しかったですね!』
「…そうだな」
『降谷さんの周りは素敵な方達ばかりですね!』
「……そうだな」
うん、本当に良い方々ばかりだった。
降谷さんのファンの女子高生達は少し怖かったけど、でも最後は一緒にお話楽しんでくれたし。
『降谷さんは人気者だったんですね』
そうポツリと呟く。
「…A?」
降谷さんの声が聞こえた。
…なんだかなぁ。
ちょっとだけ、面白くないかもしれない。
女の子に囲まれて、ウエイトレスさんとも仲良くて。
なんでかは知らないけれど。
天井を仰いだ私を降谷さんがじっと見つめる。
「…妬いてるのか?」
『焼く?何をですか?』
「いや…やっぱりいい」
視線を逸らした降谷さんが私の隣に座った。
今度は逆に私が彼の整った顔を見つめる。
『…降谷さん』
「ん?」
こっちを向いた降谷さんにグッと距離を詰めた。
『降谷さんのこと1番好きなのは絶対私ですからね!?』
「…え?」
『私の降谷さんへの好きは絶対絶対誰にも負けませんから!!』
至近距離でまっすぐ目を見て断言した。
降谷さんはびっくりしたように目をぱちくりさせる。
そのまま部屋の中の時が止まった。
…ん?あれ、なんか私すごい恥ずかしいこと言っちゃった!?
やばいやばい勢いに任せてとんでもないこと言っちゃった!
急に恥ずかしくなってきて慌てて立ち上がる。
しかし逃げようとしたところにすかさず降谷さんが私の手を掴んだ。
『ふる……んっ』
続く言葉は唇で遮られる。
キスされてることに気づくのには数秒かかってしまった。
も、もおぉぉぉ不意打ちはやめてっていつも言ってるのに…!
抗議するように真っ赤な頬を膨らませれば、頭に手刀が降ってくる。
ベシッと軽く叩かれた。
「お前なぁ…そんな可愛いことしといて逃げれるだなんて思うなよ」
『えっ』
そう言った降谷さんの顔は、珍しく赤く染まっていた。
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い! 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー! もし、よかったら、私のも、読んで 下さい! (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます!!犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです!!!!!31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ??思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます!!!ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月8日 22時