34話 ページ36
その後、｢一旦皆さん席にお座り下さい！｣という梓さんの声でゾロゾロと席についた。
隣の机には蘭さん、園子さん、新一くん。
そんな中、私は肩を震わせながらメニューで顔を覆っていた。
｢いつまで笑ってるんですか｣
目の前の降谷さんの声が突き刺さる。
敬語なんてやめてくださいって言っといたのにやっぱり安室透は敬語を使うらしい。
私はどう見ても目が笑っていない彼に震える声で返した。
『すみませっ…ふふ、あむぴ…っあはははは！』
｢そんなに面白いですか？｣
『ふふふっ、めっちゃいいですね！私も呼んでもいいですか？』
｢ダメです｣
さっき女子高生が口にしていた“あむぴ”という呼び名がかなりツボに来たのだ。
響きが良すぎる。あむぴ良いな〜すごくいい！
そろそろ笑うのをやめないと後が怖いので浅く呼吸を繰り返す。
そんな私を園子さんや周りの女子高生、梓さんが興味深そうに見ていることに気づいたのは、ようやく笑いが収まってきた頃だった。
｢安室さん、その方はもしや…｣
｢あぁ、はい｣
園子さんの言葉に降谷さんが頷く。
なんだか紹介されそうな雰囲気だったので私もニッコリと笑った。
｢僕の恋人の、犬飼Aさんです｣
あ、犬井犬子の名は捨てる方向でいくんですね。了解しました。
それならそれに見合った言い訳を考えないとと思ったが、しかしその前にポアロじゅうに叫び声が響いた。
｢｢｢｢ええええええ！？！？｣｣｣｣
『……えっ？』
いきなりの周りからの声に素っ頓狂な声をあげてしまった。
え、え、なになになに。蘭さんと新一くん以外の皆さんは揃って目を丸くして私と降谷さんを見比べている。
｢恋人！？彼女！？｣
｢安室さん彼女いたんですか！？｣
｢あむぴに彼女！？聞いてない！｣
｢私らが何度聞いてもいませんよって言ってたくせに！｣
｢え？えっと、付き合い始めたのはお店をやめてからで…｣
降谷さんですら気圧されたようにダジタジになりながら返した。
び、びっくりした…
そっか、考えが回ってなかった。降谷さんってかっこいいもんね。
そんな人の彼女が私なんてそれこそびっくりさせちゃうよね。
女子高生の視線が私に向く。
ギラついたそれに逃げ出しそうになった。
｢一体どうやってあむぴを落としたんですか！？｣
『え、ええ？うーん、ひたすら追いかけ回してたかな…？』
｢なるほど！！参考になります師匠！！｣
『えええぇ』
…なんだろう。結構いい子達かも。
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます！ (2020年4月23日 0時) (
レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い！ 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー！ もし、よかったら、私のも、読んで 下さい！ (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます！！犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜！ (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです！！！！！31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ？？思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます！！！ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年8月8日 22時
