29話 ページ31
『えー!ほんとにベル!?久しぶりだねー!
変わってないねー!え、何しに来たの!?
ベルモットは海外に飛んだって聞いてたのに!』
「…私が言うのもなんだけど、あなたちょっと警戒心薄すぎじゃないかしら?」
『そうかな?私ベルのことは結構好きだったんだよ!会えて嬉しいな!』
「そう…やっぱり可愛い子ね。連れて帰りたいくらいだわ」
ベルはそんなことを言いながら私の頭を撫でる。
組織にいた頃はポーラーが制限してたおかげで人との接触はほとんどなかったけど、ベルモットとは何度か会ったことがあるのだ。
ポーラーとベルは仲が良かったしね。
こっそりお菓子くれたりとかし、当時は綺麗で素敵なお姉さんって印象だった。
「シャトーが寝返ってバーボンと一緒にいるって面白すぎる噂を聞いたから見に来たのよ。
まさかあなたたち2人がひっつくなんてね」
『そんなに意外?そうだ、降谷さん呼ぼうか?』
あ、でも携帯は充電切れてるんだった。
けれどそれを言う前にベルは首を横に振る。
「大丈夫よ、別にバーボンに会いに来たわけじゃないし、昨日のうちに顔はチラッと見たからね。
あなた達が2人で歩いてるとこを見てたのよ」
『そうなの?それならその時声かけてくれたらよかったのに』
「バーボンがあんまりあなたのこと大事そうにしてるもんだから、あの場で声なんてかけたら撃たれそうな気がしてね」
『え?』
…んん?誰の話をしてるんだろう。
それって降谷さんじゃなくて私の方じゃなかろうか。狂犬なんて呼ばれてるみたいだし。
首を捻る私に、ベルはおかしそうに笑った。
「なんにせよ、幸せそうでよかったわ。
バーボンも不安定で危なっかしい子だと思ってたけど今はそうでもないみたいだし」
『……。え、どういうこと?』
「…頭の方は変わらず弱いみたいね」
『えー!?いきなり何!?失礼だなぁ!』
自分の頭が弱いことくらい私だってわかってるし!
頬を膨らませれば、ベルはまた私の頭を撫でる。
そして私の頬にチュッと軽くキスをした。
「シャトー、バーボンに伝えてくれる?」
『なにを?』
「私のシャトーを泣かせたら許さないわよって」
『え、私?』
「あなたは私の可愛いprincessなんだから」
…私、お姫様って柄じゃないと思うんだけど。
ベルはクスリと微笑んで私から離れる。
「それじゃ、私はもう日本を出ていくわ。またねprincess」
『うん!ベルも元気でね!』
いつも上品な彼女は最後まで上品だった。
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い! 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー! もし、よかったら、私のも、読んで 下さい! (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます!!犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです!!!!!31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ??思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます!!!ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月8日 22時