25話 ページ26
『えへへ、実はまだバイト始めたばっかでね〜
時々失敗しちゃうの』
「時々…?」
話を聞いてた限りかなり頻繁にお皿を割ってたっぽいが。
犬飼さんはケロッとした顔で『チーズケーキがオススメだよ』なんて言う。
素直に聞き入れてコーヒーとチーズケーキを頼んだ。
『まぁでも料理は出来るからね!
そこの腕は買ってもらえたの!』
「え!?犬飼さん料理できるんですか!?」
『なんでみんなそこでびっくりするかなぁ』
そりゃあするだろう。どっからどう見てもダークマターを作り出しそうなタイプじゃないか。
むすっと頬を膨らませた彼女は、すぐに微笑んで頬杖をついた。
『良かったら下の名前で呼んでくれないかな!
どこまで聞いてるか知らないけど、実は下の名前は元の名前のままなんだよね!』
「そうなんですか?じゃあ…Aさんで」
そういえば本当の名前は別だと降谷さんが匂わせてたっけ。
名前を呼べば、Aさんは嬉しそうにふわりと笑う。
…あー、なんとなく降谷さんが好きになるのわかった気がする。殺伐とした現場にこの人がいたら癒されそうだ。
『ていうか敬語なんて使わなくていいんだよ?』
「え、だってAさんの方が年上ですし…」
『新一くんは礼儀正しいね。
志保ちゃんとのファーストコンテストなんてすごかったんだから!』
「…ファーストコンタクト?」
『そう、それそれ』
…なんていうか、まだ少ししか話してないけどほんとにイメージが総崩れしたな…
前に会った時はしっかりした普通の女の人って感じだったのに。
Aさんはヘラヘラ笑いながら次の言葉を口にする。
『志保ちゃんがね、“ゴリラが犬を飼いだしたって噂、本当だったのね。まるで土曜日の動物番組みたいだわ” なんて言うから私も危うくキレそうになってね』
「ひえっ…」
こっわ。降谷さんをバカにした者全てに噛み付くとは聞いてたけどガチだったんだな…
ていうか宮野も宮野だろ。初対面でなに喧嘩売ってんだ。
明らかに引いている俺に、Aさんは慌てて付け加える。
『今はすっごく仲良しだよ?
志保ちゃん、まるでお姉ちゃんみたいなの!』
「…Aさんの方が年上ですよね?」
『新一くんはお兄ちゃんだね!』
「話を聞いて下さい」
なんでナチュラルに兄にされてるんだ。
相手を振り回しっぱなしな彼女に1つため息を零した。
「…わかった、じゃあ敬語はなしで」
『うん!』
ちょうどその時、テーブルにケーキが置かれた。
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い! 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー! もし、よかったら、私のも、読んで 下さい! (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます!!犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです!!!!!31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ??思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます!!!ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月8日 22時