24話 ▽路地裏のコーヒーブラウン ページ25
新一side
その店を見つけたのは、本当にただの偶然だった。
いつも通る道が工事で通行止めで、仕方なく別の道を歩いていた時にふと目に入った看板。
“喫茶マープル”。
この街にはまだ探偵の名のついた店があったのかと驚いて単純に興味が引かれたのだ。
まさに隠れ家カフェといった感じのその店は、古めの小さな木の扉だけが道に面している。
時間もあるし寄ってみよう。ここなら家から近いから気に入ったら通えるし。そう思ってそのドアを開けた。
その瞬間、どこか聞き覚えのある声が飛んできた。
『いらっしゃいませー！…ってあれ？』
｢…え？｣
声がした方を見てびっくり。
なんとそこには降谷さんの彼女であり公安警察であり元組織の一員である犬飼Aさんがいるではないか。
しかし店のロゴ入りのエプロンを着ているし、この場では明らかに店員さん。
目を瞬かせる俺を前に、彼女はヘラリと笑った。
『久しぶりだね、
｢新一です｣
スンッとチベスナ顔で訂正を入れれば、冗談だよーと笑われる。
随分と笑顔があどけない。
降谷さんが彼女をバカだアホだ犬だと話すのを聞いてもあまりピンと来なかったけど、なんとなくわかった気がする。
今まで会った時は本当に演技してたんだなと改めて認識させられた。
『どこでも好きなとこ座っていいよ！
私もう上がれるからちょっと待っててくれる？
今日はお姉さんが奢ってあげよう！』
｢あ、ありがとうございます…｣
皿を載せたお盆を持ち上げて、彼女は奥へと消えていく。
それを見届け、とりあえず近くの二人席に座る。
そこでようやく店の中を見回した。
俺以外に客は数人。
少し薄暗くてさほど広くない店内はアンティーク調の雑貨が並んでいる。
揃えられたブリティッシュな家具はかなりセンスが良い。
へぇ…良いカフェだな。
静かだし、読書とかに向きそうだ。
しかしそんな静寂を、突然ガシャーン！とガラスの割れる音が打ち破った。
続いてあの声が奥から聞こえてきた。
『わぁぁお皿割れちゃった！』
｢ちょっとAちゃん！？これで何枚目！？｣
『ご、ごめんなさいぃ！！』
………。
“バカでうるさくて戦闘以外は能のないポンコツ”。
降谷さんが言っていた言葉を思い出す。
自分の彼女をそこまで言うのかと思ったが、これはもしかしたら大袈裟でもなんでもなく本当にそうなのかもしれない。
大丈夫なのかよ…と半目になりながらメニューを開いた。
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます！ (2020年4月23日 0時) (
レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い！ 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー！ もし、よかったら、私のも、読んで 下さい！ (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます！！犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜！ (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです！！！！！31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ？？思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます！！！ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年8月8日 22時
