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41.天色 ページ43

とはいえ、流星群を見るにはまだ少し時間が早い。

Aは窓辺で夜空を見つめているけど、そんなにすぐに見れるわけ…


『あ!流れた!!』

「嘘だろおい」


どんなラッキーガールだお前は。

子供のようなあどけない笑顔で振り返ったAは、空を指さしてキャンキャン騒ぐ。


『ほんとですよ!!すごい!流れ星初めて見ました!!感動します!!きゃーー!!』

「うるせえ」


茶髪に手刀を落としながら窓際に寄って流れ星を探した。

するとその瞬間、確かに星が頭上を流れた。

ほんとだ…随分綺麗に見えるな。



『流れ星ってめっちゃ速いですね!?
願いごと3回唱えるとか無理じゃないですか!?』

「まず不可能だな。自力で叶えろ」

『そんなぁ!』

「ま、単に願うだけでもいいんじゃないか?」


そもそも願掛けだし、そこまでガチにならなくても。

そう思ったが、隣を見ればAは指を組み、目を瞑って空に向かって祈っている。

そんなに真剣に何を願ってるのだろうか。

こいつ、あんまり物欲とかなさそうだけど。

少ししてからゆっくり目を開けたAを眺めながら、俺は遠慮なく尋ねた。



「で、願いごとはなんなんだ?」

しかしAは、その問にバッと俺から距離を取った。


『ダメですよ!願いごとって、人に教えちゃったら叶わないって言うでしょう!?』

「…口に出せば叶うとも言うぞ」

『あ!?そうですね!?で、でもダメです!教えられません!』


ちっ…ケチだな。

でもこのバカに限ってそんなに大層な願いごとでもないだろう。

そう勝手に結論づけて、また夜空を見上げる。



『…次、流れ星が見れるとしたらいつだと思いますか?』

「え?んー…都内からなら次はふたご座流星群だから、12月じゃないか?」

『へぇ…遠いですね〜』

「そうか?それくらいすぐだろ」


Aはそうですね、と緩く笑う。


『次も見れますかね』


そう言った彼女のガラス玉のような瞳に、降る星が映り込んでいた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 立夏さん» んふふ!良かった!同じですね(*´▽`*) (2021年1月20日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 如月.夜月(きさらぎ よつき)さん» えっっっっめっちゃいいですねそれ最高ですね!!!??(笑)私もめちゃくちゃ見たいです!!!!!!! (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ムースさん» わ〜!そんなにたくさん読んで頂けるなんて本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 安室さん(怪我)、狂犬ちゃん(真顔)にお姫様抱っこされてほしいな… (2021年1月17日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ムース - 3周目です!好きすぎる! (2020年12月12日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年7月6日 23時

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