14.宍色 ページ16
｢…え、これお前１人でやったのか？｣
ある日の昼下がりの廃ビル。
片手では足りない人数の男達が倒れている中、小さな明るい茶髪だけがひょこっと立ち上がった。
『そうですよ〜！もうびっくりしました、扉開けたらいっぱいいるんですもん』
まじか、と声が漏れた。
相変わらずの化け物っぷり。ステータスを戦闘に全フリしてんじゃねえのか。
追いかけていた犯人が廃ビルに入って見失って、二手に分かれて探していたら『見つけました〜！』とうるさい声がイヤホンに届いて。
そして続けて『うわ！なんかめっちゃいる！』と抽象的すぎる言葉が聞こえて。
慌てて現在地を聞けば『え！？わかんないです！ここどこですかね！？』とアホすぎる返事をされて。
自力で探し出した頃にはもう全てが片付いていた。
恐らく犯人の方は仲間の元におびき寄せて返り討ちにするつもりだったのだろう。
ところがこんなチビなわんこ１匹に叩き潰された…ってところか。
｢とりあえず風見に車よこすように言うから、お前見張ってろよ｣
『わん！』
銃も使わず誰も殺してないようで、まだ数人は意識が残っている。
…ま、Aは言われたことは守るし何かあっても逃がしはしないだろう。
そう思いながら通話ボタンを押す。
｢風見か？…あぁ、今10人近く捕らえたから車回してくれ。場所は…｣
『死ねクソが！！！！』
｢………悪い、かけ直す。飼い犬が暴れてる。｣
またかよ…
小さくため息をついてAのところまで戻った。
見れば、男の顔面に膝蹴りをかまして更に殴ろうと拳を振りかぶっているA。
｢おい、なにやってんだ｣
首根っこを掴んでグイッと後ろに引っ張った。
『離してください〜！』
｢アホか殺す気か。もう気絶してんだろうが｣
『だってこいつが降谷さんのことバカにしたから！！』
｢ステイ！｣
『うぅ…』
ようやく動きを止めた彼女から手を離す。
普段はすんなり聞くのに、こういう時だけ渋るのはなんなんだ。
｢あのなぁ…俺がバカにされたからって過剰に反応するの、いい加減やめろよ｣
『過剰じゃないです。当然の報いです』
｢返事は｣
『……ハイ』
ないはずの犬の耳が垂れるのが見えた。
その頭をポンポンと撫でる。
｢…そうだ、このあと調べることあるから外出るぞ｣
『わかりました！』
撫でるとすぐ機嫌が直るあたりは扱いやすい。
いつものように歪んだ敬礼をするAを見ながら、電話をかけ直した。
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如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 立夏さん» んふふ！良かった！同じですね(*´▽｀*) (2021年1月20日 19時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 如月.夜月(きさらぎ よつき)さん» えっっっっめっちゃいいですねそれ最高ですね！！！？？（笑）私もめちゃくちゃ見たいです！！！！！！！ (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ムースさん» わ〜！そんなにたくさん読んで頂けるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 安室さん(怪我)､狂犬ちゃん(真顔)にお姫様抱っこされてほしいな… (2021年1月17日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ムース - 3周目です！好きすぎる！ (2020年12月12日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年7月6日 23時
