ある夏の夜。 ページ3
【】
その日の夜は、何故か目が冴えて眠れなかった。
いつもなら皆とゲームしてから寝るからかな。ふとパソコンへと目をやる。
黒光りするそれは、ぐちつぼに薦められて買ったものだった。
『...どこ、行ったんだよ。俺たちを置いてさ』
アイツはムードメーカーで、いつも俺達を笑わせてくれて。
聞き上手で、...今思えば、自分自身の話はあまりしなかった、ような。
『何かあったんかな』
そんな稚拙な言葉しか出てこない口は、もう使い物にならない。唇を閉じる。
目も瞑って、布団を引き上げる。
?????
【gnzn side】
「...くっそ、寝れねー」
何でこんなもやもやしてんだ。
心の中身は霧がかったようにはっきりしない。
「皆おんなじなんかなー...」
居てもあんまり気にも留めなかった、と思う。今の今まで。
その”気にも留めない”というごく普通の関係がいかに大事か。
今それをアイツに思いもよらぬ方法で思い知らされてるみたいで、少し腹が立つ。
?????
【trk side】
月が差し込む窓辺。
そこから見える距離に、山はある。
「ぐっちさん...今何してんだろ」
煌々と光を放つ電球。
流石にこの時間は明日に響く。
ぱちんとスイッチを切って、ベッドへと倒れ込んだ。
「寝れないの...俺だけじゃ、ない、よね？」
時計は両針ともきっちり真右を指している。
３時。ぐちつぼさんもどっかで寝てんのかな。
?????
【ykpn side】
「ぅるさ...」
昨日に事件が起こったばかりの隣家は、未だに警察の出入りが激しい。
もう草木も眠る頃だというのにこうも騒がしくされちゃ、こっちだって眠れない。
しゃ、とカーテンを締めて、耳を塞ぐ。
そうだ、こんな時こそ音ゲーでもしようか。
棚の上に乗りっぱなしのヘッドフォンとペンタブをとってパソコンに繋ぐ。
「...ぐっち、今ゲームしてるんかな」
ふとカーテンの隙間に目が行く。
子供には惨すぎる、とか言って親がリビングで話していた話を聞いた僕は、少し不安を覚えつつもログインのパスワードを一句も違えず打ち込んでいく。
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合鍵(プロフ) - ことさん» ありがとうございます、最高の誉め言葉です...！あ、気付いちゃいました？実はあります、ベースにさせていただきました...！ (2020年10月22日 16時) (
レス) id: 928b687a0e (このIDを非表示/違反報告)
こと - これ、すごく好きです！もしかしてモチーフの曲とかあります？(ﾎﾞｿｯ)更新頑張ってください！応援してます (2020年10月13日 20時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：合鍵 | 作成日時：2020年8月28日 2時
