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53話 ページ10

いつの間にか結構な雪が降ってきていた。

海風の吹き抜ける細い道にうっすらと白い雪が積もる。

これだけ降っていたら狙撃手の方は放っておいてもよさそうだ。

コンテナの上から音もなく飛び降りて、先程から追ってきていた3人組を蹴り飛ばした。


『25、26、27…!あーもう!どれだけ湧いてくるの!』


倒しても倒してもキリがない!いくらなんでも恨まれすぎじゃない!?

気絶した男の懐から拳銃を拝借し、角から飛び出してきた黒スーツの男2人をすかさず撃ち抜いた。28、29。

最初にいた場所から結構離れてしまったし、降谷さんも私を探し出すのはそれなりに時間がかかりそうだ。

バーボンだって狙われてるんだ。合流するまでにできるだけ数を減らしとかないと。


30人目の敵を撃ち、また駆け出す。

うわ、さっきの奴3つしか弾丸入れてないじゃん。使えないなぁ。

そのへんに放り投げるわけにもいかず、自分の拳銃の代わりにそれをレッグホルスターに入れる。

かじかんだ指先に息を吐きかけた。


が、しかし地の利のなさと絶望的な方向音痴がここに来て私を不利な状況にさせた。

とりあえず闇雲に走っていたのが悪かった。

追っ手の足音を聞きながら駆け込んだ先は行き止まり。


うげっと声が漏れた。

やばいやばい。これは詰んだ。

完全に袋の鼠。犬だけど。

私のベレッタの残弾数はゼロ。武器はない。


追っ手の数は…多分10人はいる。体術だけで相手をするのは流石に無理がある。

強く唇を噛んだ。

いや…無理だなんて言ってられない。

こんなところでやられるわけにはいかないんだから。


グッと拳に力を込める。

追っ手が角から姿を見せた。

浅く息を吸う。

拳銃の弾くらい、全部避けてみせなきゃ。


しかし次の瞬間、敵がその引き金を引くより前に、発砲音と共にそいつの肩から血が吹き出した。

思わず目を疑う。

意表を付かれた奴らが慌てだす。

私はもちろん撃ってない。だとしたらまさか…!

あの人が脳裏をよぎった瞬間、彼らの背後に綺麗な金髪がチラついた。


『降谷さん…っ!』

「A!!」


私の名前を呼んだ降谷さんは黒い何かを凄まじい速度でぶん投げる。

…え、まさか拳銃!?そんなもん普通投げますか!?

驚きはしたけど戸惑ってる暇なんてない。

私はそれを受け止って素早く構え、飛んできた弾丸をかわして男達を撃ち抜いた。

54話 ▽アリスブルーの白雪→←52話



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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かちかち太郎丸 - すきーーーーーー!!!!一気見させていただきました!!!!超絶大大大大好きです!!!ハッピーエンド最高すぎます、、、!素敵な作品ありがとうございます! (11月22日 22時) (レス) @page25 id: b4989b061f (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 、、、天才がここにいる、、、終わりかたがすごい好きです!結婚後の話とか、映画の話とか書いてくれませんか、、、? (2022年6月17日 16時) (レス) @page25 id: 932e0b63ac (このIDを非表示/違反報告)
じゃむ - 間違いなく天才。だいすきです。あなたの夢小説に出会えて幸せ。 (2022年6月12日 22時) (レス) @page25 id: efa5817db4 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 映画見てなかったらごめんなさい!!!!! (2022年4月24日 23時) (レス) id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 今日一気見したら、今年の映画っぽくてすご!って思いました!犬飼ちゃん降谷さん大好きです!!! (2022年4月24日 23時) (レス) @page15 id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年10月1日 22時

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