51話 ページ8
…走ろう。
なんとなくそう思って、悠太が去った反対側、人通りの少ない方へ駆け出した。
言わなきゃ伝わらないわよ。
この前、志保ちゃんにそう言われた。
本当にその通りだと思う。
お互い様だ。降谷さんはなにも言わなかったし、私もなにも伝えてなかった。
わざわざ口に出す必要なんてないと思ってた。
でももうそれじゃダメだ。
元に戻るにはあの人と話さなきゃ。
降谷さんとのおうちに帰ろう。
ちゃんと言えるかわかんない。伝えられる自信はない。言葉にできないかもしれない。
それでも降谷さんは優しいから、きっと聞いてくれる。
それに、もう限界なのだ。
仕事で顔は合わせてる。必要がある時は言葉も交わしてる。
なのに降谷さんが遠い生活がここまで辛いとは思わなかった。
やっぱり私は降谷さんの隣にいたい。
吐いた息は白くなって消える。
いつの間にか周りに誰もいないような埠頭まで走ってきていた。
冷たい風が倉庫の間を通り抜ける。
ようやく自分のいる場所に気がついて、慌てて走るスピードを緩めた。
『…ん！？あれ、ここどこ！？』
やっば、またやっちゃった！
よくあるのだ。何も考えずに走っていたら全然知らない場所にいるってこと。
ていうか仕事中でもよくやっちゃう。降谷さんには度々それで怒られた。
あ〜〜と漏らしながら振り返る。
とりあえず来た道戻ればいっか。…来た道覚えてないけど、まぁなんとかなるでしょ！
なんて思いながらまた走り出そうとした。
しかしその瞬間。
なにかピリついたものを感じて、反射的に体を後ろに傾けた。
直後、鼻先を掠めて何かが真横の壁に食い込む。
まさかと思いながら横目で確認すれば、そこには…紛うことなきライフルの弾丸。
『やっば』
一言零して今度こそ駆け出した。
最っ悪。
どうせ例によって組織の残党どもだ。
私がバーボンから離れて１人になるのを狙ってやがった。
あーもう！街に戻るわけにはいかなくなった。民間人を巻き込むことだけは避けなくちゃ。
ライフルの死角に入り込んで携帯を開く。
ちょっと躊躇ったけど、いやいや迷ってる暇なんてないんだから！
公私混同、ダメ絶対！仕事は仕事、命第一！
私は履歴を少し遡って通話ボタンを押した。
彼はワンコール置いてすぐに出てくれた。
『あ、降谷さん降谷さん降谷さん！！！』
｢うるさい｣
…やっぱり降谷さん、通常運転じゃない？
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かちかち太郎丸 - すきーーーーーー！！！！一気見させていただきました！！！！超絶大大大大好きです！！！ハッピーエンド最高すぎます、、、！素敵な作品ありがとうございます！ (11月22日 22時) (
レス) @page25 id: b4989b061f (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 、、、天才がここにいる、、、終わりかたがすごい好きです！結婚後の話とか、映画の話とか書いてくれませんか、、、？ (2022年6月17日 16時) (レス) @page25 id: 932e0b63ac (このIDを非表示/違反報告)
じゃむ - 間違いなく天才。だいすきです。あなたの夢小説に出会えて幸せ。 (2022年6月12日 22時) (レス) @page25 id: efa5817db4 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 映画見てなかったらごめんなさい！！！！！ (2022年4月24日 23時) (レス) id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 今日一気見したら、今年の映画っぽくてすご！って思いました！犬飼ちゃん降谷さん大好きです！！！ (2022年4月24日 23時) (レス) @page15 id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年10月1日 22時
