50.雪色 ページ10
夜明け前。ぼんやりと、そんな昔のことを思い出していた時だった。
「降谷さん」
遠慮がちに声を掛けられて顔を上げる。
そこには書類の束を持った風見が立っていた。
「あぁ、なんだ風見か…どうした?」
そう聞きはしたものの、要件はわかってる。
手にしている書類を見ればわかる。
「確認し終えました」
「…あぁ」
予想通り手渡される紙の束。
受け取って、また風見の顔を見て軽く笑った。
「酷い顔してるぞ」
その言葉に、風見はうっと顔を歪めた。
やつれた表情。目の下にはクマ。端は少し赤くなっている。
メガネに手を当てた彼は、重たい息を吐きながら言う。
「…こんなもの、まともな顔して読めるわけないでしょう」
「……まぁ、そうだよな」
それはそうだろう。
俺だって調べながらどんな顔をしてたかわからない。
こんなもの。こんな話。こんな過去を。
まともな顔で読めるわけがない。
走り回って探りまくって、ようやく調べきれた資料に目を落とす。
それは、シャトーの過去について。
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立夏(プロフ) - あかね。さん» 素敵なお言葉になんてお返しすればいいのかわからないくらい今すごい泣きそうになってます、本当にありがとうございます!実は私も当作品が1番気に入ってまして、今でも楽しんでくださる方がいるなんてとっても嬉しいです!長い間お付き合いありがとうございます!! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね。(プロフ) - 何回目か分かりませんが、また読み直してしまいました。立夏さんのお話ほんと好きで、中でも狂犬が1番好きで、犬飼ちゃんと降谷さんがやっと掴んだ幸せに毎回涙します。素敵な作品をいつもありがとうございます! (2020年4月22日 13時) (レス) id: 639a2702b7 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - いるかさん» わぁぁ完結して随分立っているのに見つけてくださってありがとうございます…!本当に嬉しいです!最後まで読んで下さってありがとうございました!! (2019年4月25日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
いるか(プロフ) - 素敵すぎる小説すぎて涙が止まりませんでした。これからも、応援してます(´;Д;`) (2019年4月24日 16時) (レス) id: 8c81b6610f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ウツボカズラさん» 伏線褒めてもらえるなんて嬉しいです…!どちらも夢が叶ったハッピーエンドを無事お届け出来て安心しております笑 最後まで本当にありがとうございました!!これからも頑張ります! (2018年8月11日 1時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月2日 19時