おとなの秘密【m.s】 ページ30
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真っ黒な中にひとつ浮かんでは消えるヒカリ。
そのヒカリを掴みたくて、手を伸ばすけれど、するりするりと掌をかわして触れることもできない。
それとは反対に、真っ暗な空間に放り出された身体はずっとずっと下降していっている。風で髪がなびいてふわふわする。
この感覚、知っているかもしれない。
ああ、あの溺れた時だ。身体がふわふわとして、力が入らなくて、息の仕方も分からなくて、ただただ身をまかせるしかない。
さっきまで浮かんでは消えていたヒカリがパッと明るくなって大きくなる。必死に手を伸ばしてそのヒカリに触れると、温かくて少しカサついていた。
「目、覚めたか。」
「……へ。」
ヒカリが光になって、それが日光だって気がついて。鼻に付く、ツンとした独特の匂い。消毒の匂いと真っ白なシーツの匂い。坂本くんの診療所だ。
私が触れていたのは、坂本くんの手だった。子供の時以来だ。手に触れたのは。そう思った途端、触れたところが一気に熱を持った。ジワジワと熱い。
「頭痛い？」
「なんで……うっ、いった。」
「階段から落ちたんだよ。」
「え、嘘でしょ。」
頭がズキズキする。頭だけじゃない。身体中の骨という骨が痛い。階段から落ちるとか私どんだけ基礎体力落ちてるんだろう…。
「まぁ神社の階段、高いし急だからな。」
「嘘、神社の階段から落ちたの？私？」
神社の階段というのは、海の近くの神社にある全部で108段ある階段のこと。山の上と海の近くと2つあるの。
今日のお祭りの待ち合わせはその神社の境内で。健くんと貴くんはもう上にいて、早く早くなんて急かされていたっけ。それで落ちたなら、私ほぼ100段ぐらい落ちてるよね…？
「心配すんな、落ちたのはたった6段だ。」
「6段でもだいぶ痛くない？！」
「だから痛いだろ。」
「うう、その通りです…」
左腕が脱臼してただけだからまぁ痛いの耐えればいいよ、なんて呑気なことを言う。痛いのが耐えられないのに。
「健と増田が電話かけてきたんだけど、焦りすぎてなんも聞き取れなくて面白かったよ。」
「あの2人テンパると会話できないからなぁ…」
「まぁ俺もそれなりに焦ったけどさ。」
坂本くんもテンパると大変なタイプだ。うちの島にはテンパるとひどい人しかいないのか。あ、加藤くんとか平然としてそうかも。
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イルミナ(プロフ) - 郁さんこんにちは！初めまして！郁さんの作品を色々読ませていただいておりますどの作品も楽しく見ています。離れるのは寂しいですが、受験頑張ってください。また戻ってくるのを楽しみに待っています。受験頑張ってください応援しています。 (2017年8月2日 9時) (
レス) id: 407af2726c (このIDを非表示/違反報告)
ともみ(プロフ) - 郁さんの作品色々読ませて頂いてるので、すごく寂しいです(>_<)受験がすべてじゃないですが、郁さんの夢への第一歩になります！頑張って下さい！！！ また戻ってきて下さるのを心待ちにしています(^O^)
(2017年8月1日 20時) (携帯から) (レス) id: 5a1ad4410e (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - Nanase.NEWS乃木坂大好きJSさん» Nanaseさんこんにちは！そんなそんなありがとうございます！また戻って来るつもりなのでその時はぜひまたご贔屓に！☆ (2017年7月28日 16時) (レス) id: 0661707aca (このIDを非表示/違反報告)
Nanase.NEWS乃木坂大好きJS - 郁さんはじめまして！こんなに素晴らしい文章が書けるだなんてうらやましいです！受験頑張ってください！そして…素敵な作品をありがとうございました！ (2017年7月27日 9時) (レス) id: 9c839d6ed9 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 音奈 きらりさん» きらりさんこんばんは。やはり受験生には思えない文章ですよね、これで合格通知ください！と言いたいところですが、フルスイングで頑張ってきます☆ (2017年7月25日 22時) (レス) id: aab2cd29e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：郁
| 作成日時：2017年6月30日 12時
