女子高生でも協力者になれますか？ ２【降谷零/安室透】

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Aの部屋よりも俺のセーフハウスの方が近かったため、Aをそこまで連れてきて風呂に放り投げた。

部屋に着いた頃から降り出した雨は眺めているうちにだんだんと本降りになってくる。

雨の音に紛れてシャワーの音が聞こえていた。


やっぱりどこか危なっかしいよなぁ…

もうすぐこの関係は終わるけれど、心配というかなんというか…

それに、単純に会えなくなるのは寂しい。

そんなことを考えながら窓の外を見ていれば、脱衣所のドアが開く音がした。


『…すみません。ありがとうございました』

｢ああ｣


俺の服を着て髪が濡れたままで出てきたAを振り返る。

…あ。このセーフハウス、ドライヤー置いてないんだった。

Aの長い髪は自然乾燥では時間がかかりそうだ。

エアコンの温度を上げて彼女の髪をタオルで拭いた。


｢ドライヤーないからちゃんと拭かないと風邪ひくぞ｣

『ちょ…！自分でできますよ！』

｢お前風呂上がりしょっちゅう髪乾かさずに歩いてるだろ｣


それなりの頻度で見たぞ俺は。その度に怒ってるのにやめようとしない。

う、と黙ったAは抵抗をやめて大人しくなった。

気まずそうにウロウロする視線に、年頃の女の子相手にすることじゃなかったかと少し反省する。今更やめないけれど。


しかし、俺がしばらくAの髪を拭いていた時だった。

彼女の視線がハッと俺の脇腹に止まった。


『怪我してる！？』

｢え｣


そう口にしたAはなんの躊躇いもなく俺のシャツを捲りあげる。

そこには明け方銃弾が掠って応急処置をしたままだった傷口。

それを目にした彼女は一気に顔を顰めた。


『なにこの処置雑すぎるありえない！！』

｢ちょ、｣

『救急箱は！？』

｢た、棚の上…｣


Aはまだ少し髪が濡れているにも関わらず、珍しくバタバタと救急箱のところまで駆けていく。

俺はそれを呆然と眺めていることしかできなかった。

まさかバレるとは思わなかった。あんな反応をされるとも。

救急箱を開けた彼女は手早く処置を始める。…え、これ本当にAか？


『なんで病院に行ってないんですか！？手当だって自分でしたでしょうこれ！』

｢いや、これくらいで病院には…｣

『はぁ！？』

｢いっっった！！！！なにすんだお前！！！｣


傷口の近くをべしっと叩かれた。抗議しても睨み返される。

Aは慣れてなさそうではあるものの、器用に包帯を巻き直した。

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