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最後はお互いキレ気味に叫び、肩で息をする。
なんの音もしない小さな部屋にお互いの息だけが響く。
今の一瞬でめちゃくちゃ疲れた。与えたダメージはそれなりに大きいだろうが喰らったダメージも大きかった。
えぇ…待って…うそぉバレてたの……
いや、大体なんで“相手がバレてないと思ってるだろう恥ずかしいところをわざと暴露してやる大会”になってるんだ。
数分前まで遡って考えてみたが始めたのは間違いなく私だった。100%私のせいだわごめん降谷さん。
大きなため息をひとつ落とした彼は、前髪を搔き上げて腰に手を当てた。
「…うん、そろそろやめにしよう」
『そうっすね』
「………フォルダのこと、誰から聞いた?」
『新一くん』
「………」
まったくあの子は…と再びため息混じりの声が聞こえてくる。
私のせいでこってり絞られることになったらごめんね新一くん。
お互いその場に腰を下ろして一旦休憩。
よし、そろそろ再開しましょうか。まだまだ10個には程遠いのだ。道のりは長い。真面目にやろう。
『えーと…困ってたらすぐに駆けつけて助けてくれるところ』
「その日あった小さな幸せを全部教えてくれるところ」
『一緒に笑ってほしい時に笑ってくれるところ』
「俺の些細な変化に気づいて傘を差してくれるところ」
『私が零したちょっとした夢を残らず覚えててくれてるところ』
ここに来て降谷さんは、何故か少しだけ停止する。
そして少し目を逸らして続けた。
「…俺がAに会いたくて本庁に呼び出してるってわかってるくせにちゃんと来てくれるとこ」
『えっなんですか、今度は自分から暴露大会にするんですか?』
「礼を言う良い機会だと思って」
『そういうバカ真面目なところは好きですよ』
「そりゃどーも、照れた時はそういう可愛くない返しするところも大好きですよ」
うぐ、と言葉に詰まった。
降谷さんはすました顔で私を見ている。あ〜〜〜もうこの人は…!負けた!ほんとにそういうとこだぞ…!
なにも言えない私に、彼ははにかんで更なる追い打ちをかける。
「素の俺を知っても好きでいてくれたところも好きだし、いつだって信じて隣にいてくれるところも大好きです」
『ちょ、ちょっと…』
一度照れてしまえば一気に恥ずかしくなってきてストップをかけようとする。ダメだこれはダメだ。
しかし、降谷さんは最後に今までで1番良いとびっっっきりの笑顔で締めくくりやがった。
「あとベッドの上では妙に素直になるところだな!!!!!!よし10個終わり!!!!」
『そういうとこほんっっっと嫌い!!!!!!』
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なでぃあ - すみません💦立夏さんの作品一覧の中でパスワード保護がかかっている作品を読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか? (2023年1月10日 21時) (レス) id: b7c646722c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!私の文章で幸せになって頂けたなんて私の方が幸せです!笑 ありがとうございました!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 話の構成も文章の書きかたも素敵で、幸せな気分です!これが神だ。嬉しくて泣けました(マジ)応援してます! (2020年3月5日 10時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - なのなの-VIIさん» わぁ〜!とってもご無沙汰な更新でしたが読んで頂けるなんてすごく嬉しいです!!ありがとうございます!!私もはっぴー満点で眠れます!笑 (2020年2月9日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの-VII(プロフ) - 更新ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです! おかげで幸せな気分で寝れます! (2020年2月8日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年11月18日 21時