顔が良ければ全て良しだって未だに思ってるだろ！！【降谷零/安室透】

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＊まさかの女優パロが続いた
＊あくまでif。パラレルです


｢は？役作り？｣

『です。付き合ってくれませんか？ちょっと軽くデートくらいでいいので』

｢デート…｣


降谷さんはその単語を呟き、お肉を頬張る。

場所は降谷さんの部屋。肉あるから来いよと言われたのだ。来るしかなかったのは言うまでもない。

ていうかなんでテレビ壊れてんの？バッキバキなんだけど？この割れ方はまさか殴った？ついにゴリラの本能目覚めたの？

さっき尋ねたら意味不明な答えが返ってきたからもう聞かないけど。｢お前のせいだ｣ってあれなに？私なにした？ほんとよくわからん。

降谷さんは携帯でスケジュールを確認しながら私に問う。


｢役作りって、そんなに難しい役なのか？｣

『いえ、普通の恋愛ドラマですよ。人気少女漫画の実写化です』

｢それならむしろ得意分野だろ。そこまでしなくても…｣

『それがこの前までお堅い女医役の撮影してたからか切り替えがうまくいかなくて』

｢ふーん…珍しいな｣


彼はそう言って携帯を置き顔を上げた。

一瞬私を見つめてからご飯に視線を落とし、お肉を食べながら言う。


｢いいよ、今週末なら行ける｣

『ほんとですか？じゃあお願いしますね！場所は遊園地で！』

｢はいはい。変装してこいよ｣

『わかってますよう』


すっぱ抜かれでもしたらお互いえらいこっちゃですもんね。もちろん私も彼もそんなヘマはしないけど。

なにか伝えておくべきことはないかと台本をパラパラ捲る。

その様子を、降谷さんは複雑そうな顔で見ていた。


｢…恋愛ドラマねぇ｣

『なんですか？』

｢いや、またうちのテレビが壊れることになると思ってな｣

『はい？なんで？』

｢なんでもない｣


視線を逸らした彼は食器を片付けに席を立つ。

…そういえば、昨日は私が出てたドラマの最終回だったっけ。えーと、ラストは男優とのキスシーンで……あ。

そこまで考えてようやく合点がいった。

あーーー…私のせいでテレビが壊れたってそういう…殴ったっぽいのもそれのせいか…

過激派じゃん、相変わらず私の顔好きすぎでしょ降谷さん。

若干赤くなった気がしなくもない顔で苦笑いをこぼした。

…多分、役作りなんてただ降谷さんと出かけたいがための理由付けでしかないことも彼にはバレてるだろう。

演技はできてもお互いにはバレバレだなぁ、と思いながら最後のお肉を口に入れた。

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