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『ねぇちょっと!ゲームはあんまりしたことないって言ってませんでした!?』
「言ったな」
『じゃあなんでこんなに強いんですか!!』
「知るかそんなもん」
なんてことを言いながらも零さんは最早慣れきった手つきで敵の攻撃を捌いている。
初めの方はここまでではなかったのだ。
しかし少ししたらすぐにアホみたいに強くなり、最高レベルのCPにも勝てるようになってしまった。怖すぎる。
『零さんがドンキーコングで無双してる図とかガチで面白すぎますね。あ、私死んだ』
「お前さっきから死ぬの早くないか?」
『初めはこんなもんですって。零さんがおかしいんですよ』
「反射的に避けてたら攻撃なんかそうそう食らわないだろ」
『流石リアルゴリラは言うことが違いますね。これ写メって新一くんに送ってやろ』
「おいやめろ」
口ではそんなこと言いつつもちゃっかり最後の敵をぶっ飛ばしなさった。たーまやー。
もう私ついていけないって。ハンデがなくちゃやってられない。
『零さんは1機で私は5機でいきましょうか』
「ずるすぎかよ。…まぁでも妥当か」
『納得されんのも腹立ちますね』
いや、私だってそんな弱いわけじゃないからね。手先は元々器用な方だし、この人がおかしいだけだからね。
とか思ってたら私めっちゃ吹っ飛ばされてんじゃん。あっれれー。なんで1:5だったのに1:1になってんの。
『あ、でも今回は零さんも割とダメージ食らってますね。攻撃当てれたら勝てるかも』
「そんな簡単にやられるわけないだろ」
『どうかなぁ、意外と当たったりして』
ピンクの小さなキャラクターのハンマーをぶんぶん振り回す。
って言っても私の方も次まともに食らったら死んじゃうなぁ。
リモコンをカタカタ音を立てながらゴリラ様の攻撃を避ける。
そんな時だった。
「A」
『はい…んっ』
名前を呼ばれて気づいた時には、彼の顔がすぐ近くにあった。
画面の方へ気を取られていて反応が遅れる。
そのまま唇を塞がれた。
突然そんなことをされて、意識がそっちに向かないわけもなくて。
「…はい勝った」
『……は?』
いたずらっぽく微笑まれて、慌てて画面を見ればゲームセットの文字。
もちろん私の負け。…嘘でしょちょっと待って。
『い、いい今のはズルいでしょう!!』
「あはは、そろそろ飯にするぞ」
『おいこら聞け!どこ行くんですかちょっと!!』
満足気な顔でキッチンに向かう彼に、ぼふっとクッションを投げつけた。
after:あなたにふさわしい私→←after:勝ちへの一手
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なでぃあ - すみません💦立夏さんの作品一覧の中でパスワード保護がかかっている作品を読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか? (2023年1月10日 21時) (レス) id: b7c646722c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!私の文章で幸せになって頂けたなんて私の方が幸せです!笑 ありがとうございました!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 話の構成も文章の書きかたも素敵で、幸せな気分です!これが神だ。嬉しくて泣けました(マジ)応援してます! (2020年3月5日 10時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - なのなの-VIIさん» わぁ〜!とってもご無沙汰な更新でしたが読んで頂けるなんてすごく嬉しいです!!ありがとうございます!!私もはっぴー満点で眠れます!笑 (2020年2月9日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの-VII(プロフ) - 更新ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです! おかげで幸せな気分で寝れます! (2020年2月8日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年11月18日 21時