after:勝ちへの一手 ページ20
*リクより“お家デート”
暴風が窓を乱暴に叩き、遠くでなにかが飛んでいるのが見えて、うひゃあと声を漏らした。
せっかく零さんが非番の日なのに今日はあいにく台風が直撃。
どっか出かけますかなんて言っていたが、こんな天気ではコンビニすら行こうと思えない。
というわけで予定は中止にして、二人でリビングでだらけていた。
うん、はい、暇である。することがなさすぎる。ゴロゴロしてても時間は進まない。
なんかやることないかなーと考えていたそんな時、ふとこの間譲り受けたものを思い出した。
『あ、そうだ』
「どうした」
『なんかこの前、本屋のお客さんがもういらないとかで貰ったんですよ、テレビゲーム機』
「ゲーム?」
ダラダラしすぎて重い頭を持ち上げ、自分の部屋から大きな箱を持ってくる。
休日でさえお美しい顔をなさっている零さんは、慌ててそれを抱え上げた。
「アホか、重いもの運ぶ時くらい言えよ」
『あはは、ありがとうございます。
貰ったところで私ゲームとかしないし少年探偵団の誰かにあげようかなーって思ってたんですけど、暇だし1回やってみますか』
「俺もゲームとかあんまりしたことないけど…」
『あれ、そうなんですか?』
そんな話をしながらテレビとゲーム機を繋げる。
私も触ったことのあるゲーム機なんてたまごっちくらいかも。裕福とは言えない家庭だったし、あんまり興味もなかったし。
ま、今日が終われば誰かに譲るとして…最初で最後のテレビゲームをやってみようではないか。
接続が完了して、一緒に貰っていたソフトを入れてみる。…なんか思ったよりハイテクだなぁ。現代技術はすごいものである。
「へぇーよく出来てるな」
『ほんとですよね。あれ?リモコンの接続ってどうやるんですかね』
「やばいな時代についていけてないのがバレる」
『言わないでくださいよ。えーと…あ、これか』
時代に取り残されてるババアとか全然そんなことないですからね。JK語だって使えるんだからね。まじ卍。
ようやくゲームのスタート画面が表示されて、適当に進めていく。
えっと…?これはキャラクターを自分で選べるのか。
『零さんドンキーコングありますよ』
「喧嘩売ってんのか?」
『いやいやお似合いなのでは思っただけです』
「それならお望み通りゴリラでボコってやるよ」
『まじかノリいいっすね』
ほんとにドンキーコングにしてるじゃん、面白すぎか。
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なでぃあ - すみません💦立夏さんの作品一覧の中でパスワード保護がかかっている作品を読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか? (2023年1月10日 21時) (レス) id: b7c646722c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!私の文章で幸せになって頂けたなんて私の方が幸せです!笑 ありがとうございました!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 話の構成も文章の書きかたも素敵で、幸せな気分です!これが神だ。嬉しくて泣けました(マジ)応援してます! (2020年3月5日 10時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - なのなの-VIIさん» わぁ〜!とってもご無沙汰な更新でしたが読んで頂けるなんてすごく嬉しいです!!ありがとうございます!!私もはっぴー満点で眠れます!笑 (2020年2月9日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの-VII(プロフ) - 更新ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです! おかげで幸せな気分で寝れます! (2020年2月8日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年11月18日 21時