顔が良ければ全て良しだって未だに思ってるだろ！！【降谷零/安室透】

after：ウエディングドレスの似合う君 ページ1

『え、新婚旅行？』

｢ああ。そういえばどこにするか決めてなかったなって｣

カーテンの向こうからはそんな声が返ってきた。
私はといえば、今はドレスの試着中。

ぎゅっと腰を絞められてうﾞっと声が漏れた。

…え、なんで今その話するんですか。
さては暇だな。暇なんだな。すみませんねお待たせして。

新婚旅行か〜、そういえばなにも考えてなかったな。


『うーん、美味しいものが食べたいです』

｢肉か｣

『肉ですね』

｢絶対言うと思った｣

『ありがとうございます』

｢褒めてない｣


顔は見えないけどため息は聞こえた。この野郎。
だって旅行ってなったら美味しい肉食べたいでしょうに。グルメ旅がいい。

んー…そうだなぁ、美味しいものが食べれるところっていえば…


『やっぱり北海道とか？』

｢いいな、ラム食べるか｣

『えっ、人ですか酒ですか』

｢アホ、羊だ。ジンギスカンだよ｣

『あ！なるほどそっちね！！いいですねジンギスカン！！羊食べましょう！！』


ラム肉！あんまり食べたことないけど美味しいらしいよね！食べたいなぁジンギスカン！

あと海鮮丼とか…あー、楽しみになってきた〜！
何気に降谷さんと旅行とか初だし！


｢そうだ、新婚旅行とは別に今度長野に行こう｣

『え？長野？なにかあるんですか？』

｢まあな｣


降谷さんはそれだけ答えて何も言わない。

長野…？長野といえば…うーん…？

あ、もしかしてセロリ！？セロリか！？
降谷さんってばセロリ目当てに長野旅行を！？

さすが、セロリガチ勢はレベルが違う。

しかしそう思った瞬間、｢セロリじゃないぞ｣という声が飛んできた。

うそん。じゃあなんだっていうんだ。

けれどそんな思考は降谷さんが話題を変えたことによってぶった切られた。

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