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これは色々リサーチが必要ね、と思いながら白いリボンを外す。
するとそれを見ていた降谷さんが急に目を細めて小さな声で漏らした。
「…ありだな」
『やめて目がまじすぎて怖い』
「黒セーラーに黒タイツを選んだあたり相変わらず俺の好みをわかってる」
『いや今回は降谷さんの好みとか全く考えてないんで。いい加減にしないと眉間ぶち抜きますよ』
「お前のお粗末な射撃でか?」
『下手な鉄砲も数打ちゃ当たるんですからね』
この上司そろそろセクハラで訴えてやろうか。訴え返されたら困るなやめとこ。
ていうか射撃だって最近は大分的に当たるようになってきたんですからね。
私と違ってド真ん中しかぶち抜かないゴリラ様はなんともまぁ可愛らしいお顔をしておられる。
『いっそ降谷さんがセーラー服着ればいいのに』
「女装だけはまじで死んでもやらないからな」
『え、なんでそんな頑な…』
「警察学校時代に罰ゲームでやらされた」
『は!?嘘でしょその写真どこ行けば貰えます!?景光さんか景光さんですねいってきます!!!』
「アホか残してるわけないだろ!!」
部屋を飛び出そうとした瞬間、首根っこを掴まれた。
ぐえっと間抜けな声が出る。この野郎乙女に対してなんてことしやがる!!
『じゃあ降谷さんの今の写真撮って景光さんに送ってやろ』
「写真NGなんで」
『なに芸能人きどってんすか。いつか盗撮してやるぞ』
そうだね、RX-7にカメラ仕掛けるとかね、してみたいよね。
降谷さんってカーチェイスの時めちゃくちゃいい顔するからね。あれやばいよ。
なんて企てながら、構えかけた携帯をポケットに戻す。
いつのまにか深夜3時だ。そろそろ真面目な話をしないとな。
私は机に座って足を組み、うーんと首を捻らせた。
『ていうか生徒に紛れ込んで情報収集出来るんですかね?多分生徒はなにも知らな………い…………』
「……え?」
『…………あれ?』
………ん?
なんか今、すごく重大なことに気づいた気がする。
なんで今まで気づかなかったのかわかんないくらい重大なことに。
ゆっくりと顔を上げて降谷さんを見る。
彼の方も気づいたらしく、目を大きくしてこっちを見ていた。
『………これ、生徒になりすますんじゃなくて教師側に潜入すれば済む話なのでは…?』
徹夜の魔物とはなんとも恐ろしいものでして。
数時間かけてようやくその事実に気がついた私たちは、開き直ってその格好のままオフィスに戻ったのであった。
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なでぃあ - すみません💦立夏さんの作品一覧の中でパスワード保護がかかっている作品を読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか? (2023年1月10日 21時) (レス) id: b7c646722c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!私の文章で幸せになって頂けたなんて私の方が幸せです!笑 ありがとうございました!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 話の構成も文章の書きかたも素敵で、幸せな気分です!これが神だ。嬉しくて泣けました(マジ)応援してます! (2020年3月5日 10時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - なのなの-VIIさん» わぁ〜!とってもご無沙汰な更新でしたが読んで頂けるなんてすごく嬉しいです!!ありがとうございます!!私もはっぴー満点で眠れます!笑 (2020年2月9日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの-VII(プロフ) - 更新ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです! おかげで幸せな気分で寝れます! (2020年2月8日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年11月18日 21時