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そんなこんなでその週末にはAの実家に伺わせて頂くことになった。

彼女に聞いた住所をカーナビに入力し、ハンドルを握る。

すると助手席に座っていたAが思い出したように口を開いた。


『そういえば、今日はどっちですか?』

「どっち?」

『安室透と降谷零、どっちでいきます?』

「あー…」


…そうだ、決めるの忘れてた。

嫁の親なぁ…どうしようか、正直かなり微妙なラインなのだ。

ちゃんと降谷零として行きたい気持ちはあるけれど…

しばらく悩んでから横目でAを見れば、彼女はすました顔でケロリと言う。


『私のことは気にしなくていいですよ。あなたがそういう立ち位置であることはちゃんと理解してますから』


…まぁ、Aならそう言うよな。

たっぷり数十秒、熟考してからようやく答えた。


「………安室透で」

『はーい、了解しました』


透さん、透さん、と練習するように小声で繰り返すA。まじか下の名前呼びなのかよ。

『私立探偵って設定だしストーカーの件を依頼した時に出会ったってことにしようかなぁ』なんて呟いた彼女は、微妙そうな表情を浮かべた。


『私、親にちゃんと嘘つけるかなぁ…』

「え?」

『小さい頃から嘘ついてごまかすのは得意だったんですけど、何故か母親にはいつも絶対バレてたんですよね。
あの人、洞察力というか勘が良すぎるんですよ。降谷さんも気をつけないとすぐバレるかも』

「…まじで?」


び、びびらしてくんなよこのタイミングで…

でも確かにAの母親であり師匠だもんな…気を引き締めないといけないのは事実だろう。
演技力おばけの彼女にここまで言わせるなら尚更だ。


「…もうちょっと安室透とお前の今までの設定決めとこうぜ」

『ですね…あ、私のことはAさんって呼ぶにしても敬語はなしで。あなたに敬語使われるのは流石に違和感やばいので』

「ああ、わかった」


他に決めておいた方がいいことを頭の中で並べながら、青に変わった信号にアクセルを踏み込んだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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なでぃあ - すみません💦立夏さんの作品一覧の中でパスワード保護がかかっている作品を読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか? (2023年1月10日 21時) (レス) id: b7c646722c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!私の文章で幸せになって頂けたなんて私の方が幸せです!笑 ありがとうございました!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 話の構成も文章の書きかたも素敵で、幸せな気分です!これが神だ。嬉しくて泣けました(マジ)応援してます! (2020年3月5日 10時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - なのなの-VIIさん» わぁ〜!とってもご無沙汰な更新でしたが読んで頂けるなんてすごく嬉しいです!!ありがとうございます!!私もはっぴー満点で眠れます!笑 (2020年2月9日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの-VII(プロフ) - 更新ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです! おかげで幸せな気分で寝れます! (2020年2月8日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年11月18日 21時

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