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story9 ページ10

...




ああ…





今私の目の前で繰り広げられてるこれを
私はどうしたらいいんだろう





手に持った大きい荷物が落ちないよう持ち上げる







...








...





『伊野ちゃん!あのね、私…あのっ』


慧『あ〜、ごめん。
やっぱお前は友達にしか見れねぇ』









告白…だよね?









彼女が愛の言葉を言う前に
慧は、同情の色も見せないぐらい
速攻で断っていた









しかも、告白の相手が慧って…
やっぱりモテモテだわ
ライバル多すぎ








「うわぁ…って学年1位の子じゃん」








角からその現場を盗み見する私は
端から見れば変人
何してんだ?こいつ?って思われてるのかな









しばらく見てると、彼女は慧のネクタイを掴んで
グイッと自分の方に引き寄せると
慧のふわふわした頭に手を回した








「…ウソでしょ」









とろけるようなリップ音がその場に響いた
呆気にとられた彼の横顔と
少し幸福感にとられた彼女の横顔
そして、私の絶望した気持ちがその場に残った








慧『何してんだよ、バカ…』


『ごめん。でも、つい。。キスしちゃった』









...




________ガシャーン









手に持った大きい荷物が滑り落ちて
床に散らばる物達









「どうしよ…ああ、もう!」









一目散に逃げ出した私の背後に
人が立ってる気配がして
ああ、見られてんの?







凄い最低だよ、盗み見する私も
彼にいきりキスした彼女も

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作者名:ひいろ | 作成日時:2016年2月28日 1時

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