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story10 ページ11

...





私が向かったのは、あの物静かな図書室
どうしても、今は心を落ち着かせたくて
静かで誰もいない私だけの空間






________ギィー








図書室だけが、木で出来ていて
何となく時代を感じさせる。
古びた場所だから誰も足を踏み入れないのかな?








「…」








その古びたイスに腰掛けると
私は目の前にあるテーブルに突っ伏した









木の香りが鼻を突く









...





あの廊下で出会ってしまった光景に
息をのむことしかできなくて
……逃げる後ろ姿は、見られていたかもしれない








そりゃ、そうだよね









大貴が言ったとおり
最強最悪なライバルがたくさんいる
この学校では私に勝ち目なんて無い









彼の周りにはキラキラ光る宝石みたいな女の子たち
私は取り残されて磨かれることのない石









「っ…とまれっ」









制服の袖に染み込む涙が

擦っても擦っても止まらないから
もっとぬれていく









________ガラッ








突然開かれた扉に、
私以外の声が聞こえた









?『…あれ、A?』

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作者名:ひいろ | 作成日時:2016年2月28日 1時

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