あなたがいれば (ページ11)

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真っ暗なタクシーの中、私の肩に寄りかかり規則正しい寝息をたてている康平。

『ん、、車、？』

｢あ、やっと起きた。
もう着くよ、｣

そろそろ康平の家に着く頃に目を覚ました。

｢ありがとうございましたー｣

康平の腕を肩に乗せ、車を降りる。

｢康平？歩ける？家着いたからね｣

まだ顔は真っ赤でよろついている。
自分と体格の違う人を支えるのって思ったより大変。

身長は20cmぐらい違う。

｢はい、部屋着いたよ。
とりあえず横になりな？｣

寝室まで康平を連れて行きゆっくりとベッドに支えていた腕を下ろす。

｢今水持ってくるから…』

ベッドから離れようとした瞬間腕を掴まれる。

『行かんとって？』

｢いや、でもお水飲んだ方が…｣

『いいから、傍におって？』

真っ直ぐ目を見て優しくそんなこと
言われたら離れられなくなってしまう。

それから30分くらい経っただろうか。

時計を見ると終電の時間が迫っている。

康平の家から私の家までは2駅。
歩いて帰るには少し遠い。

｢康平？そろそろ帰らなきゃ、｣

私の手を握るごつごつした手は一向に離そうとしてくれない。

『もうちょっとおってもいいんちゃう？』

｢いやでも終電が…｣

『んーん、あかん、』

いつもの大人っぽく余裕のある雰囲気の康平
とは違い、少し幼く、でもどこか色気を感じる。

｢ホントに電車無くなっちゃうよ｣

無理やり立とうとした途端、下に引っ張られ気付くとベッドの上で康平の腕の中にいた。

『離さんよ？Aちゃん』

康平の顔を見上げると、悪そうに口角を上げ、吸い込まれるような瞳に目が離せなくなる。

2つボタンの開いているシャツからは
色っぽい鎖骨が覗く。

更に足をゆっくりと絡められ完全に動けない体勢になってしまった。

分かってる。
これは全部酔ってるせい。

でも康平は普段お酒を飲まないしこんな
こと滅多にしなくて、私の心臓は今にも飛び出そう。

何も考えられず思考停止中。

｢まぁ明日休みだしいっか、｣

『うん、///
帰るって言っても帰さんけどね？』

ﾆﾔｯと笑う康平はそっと短くキスを落とし、一つだけライトの照らす部屋でお互いの愛を確かめ合った。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
朝私より後に目を覚ました康平。
『はｯ！？A何でおるん！？』
｢おはよ、昨日のこと覚えてないの？｣
『え、店で飲んでてそっから…』
｢はぁ、だと思ったわ、、｣